シネマトゥデイ

どうなる?2018年の動画配信サービスと映画館の動向

コラム

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Google +1
  • ツイート
  • シェア
Netflixと積極的にタッグを組むブラッド・ピット - Mike Marsland / WireImage / Getty Images

 2017年6月にNTTコム リサーチが発表した第6回「映画館での映画鑑賞」のアンケート結果(全国の10代~70代の男女3,193名を対象)によると、映画館で映画を観ている人の比率は37.1%、およそ4割程度だったという。そもそも1980年代、家庭用ビデオの普及により「映画は映画館で観るもの」という概念は次第に薄まりつつあったものの、ここ数年のNetflixやAmazon、Huluといったインターネット配信サービスによるオリジナル映画製作の隆盛によって、その垣根はさらにあいまいなものとなっている。(文:壬生智裕)

 2017年は特にその流れが顕著だった。5月には、Netflixが製作した配信オリジナル作品、『オクジャ/okja』(2017・ポン・ジュノ監督)、『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』(2017・ノア・バームバック監督)がカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、「映画館で上映されない配信オリジナル作品は、映画なのか?」という論争が巻き起こったことは記憶に新しい。

 俳優のブラッド・ピットが代表を務める製作会社プランBエンターテインメントといえば、『それでも夜は明ける』(2013)、『ムーンライト』(2017)といったアカデミー賞をはじめとした賞レースにからむ作品を多数手がけてきた注目の製作会社だが、『オクジャ/okja』は、プランBエンターテインメントとNetflixがタッグを組んで製作した作品だ。

[PR]

 ピットは、同じくNetflixと組んだ映画『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』(2017)PR来日時に、「Netflixと組まなければ、おそらくこの作品は製作できなかったと思う。こういうチャレンジングな作品を製作することは、現在のスタジオの状況を考えると非常に難しい」とそのメリットについて説明した。全世界190か国配信という拡散力を背景に、潤沢な予算を有するNetflix。米バラエティ誌によると、2018年は年間80本のオリジナル映画を配信する予定と言われており、2018年もNetflixが話題の中心となることだろう。

 そんな折、2017年12月14日(現地時間)、米ウォルト・ディズニー・カンパニーが、21世紀フォックスを買収するというニュースが全世界を駆け巡った。その背景には、Netflixなどに対抗できるようなストリーミングサービスを構築したいというディズニーの思惑もあり、『タイタニック』(1997)や『猿の惑星』(1968)シリーズなど数々の魅力的なコンテンツを所持するばかりでなく、Huluの経営権を持っているフォックスが魅力的であったことは想像に難くない。Netflix、Amazonに対抗する今後の台風の目として、ディズニーの存在感がさらに増してくることだろう。

 そんな配信サービスを迎え入れる側となる映画館だが、彼らも生き残りをかけて、新時代に突入している。「映画をより良い環境で観たい」といった観客のニーズをうまくすくいあげ、近年は、IMAX、4D上映、高級シート、爆音上映といった付加価値をつけたプレミアムシアターが人気を集めている。また、人気俳優や声優、アイドルなどによる「舞台あいさつ」、そしてそのイベントを全国の映画館に中継する「ライブビューイング」、そしてスクリーンに向かって大騒ぎできる「応援上映」といった特別興行は、映画館ならではの祝祭感を体感する場として欠かせないものとなっている。またこれらのイベントは、近年の映画ヒット作の必須条件のひとつであるリピーターの獲得にもつながることから、そのニーズはさらに高まることが予想される。

 また、2018年はTOHOシネマズのチェーンマスターとして長らく映画ファンに親しまれてきた有楽町の「TOHOシネマズ日劇」が2月に閉館。3月には、13スクリーン、2,800席(現在営業中のTOHOシネマズ スカラ座、みゆき座を含む)という都内最大規模のシネコン「TOHOシネマズ日比谷」がオープン。周辺の「東京宝塚劇場」「シアタークリエ」といった芝居の劇場と合わせて、日比谷が一大エンタメ街となる。東宝系列の映画館を日比谷に集約させることで、銀座エリアが盛り上がることは間違いない。

 ライフスタイルの変化により、映画を取り巻く環境は変わってきている。その答えはまだ出ていないところだが、それでも観る者としては、選択の幅が広がることは歓迎したい。

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Google +1
  • ツイート
  • シェア

楽天市場

[PR]