『ダ・ヴィンチ・コード』原作者、宗教と科学技術の対立を描くワケ!

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ブラウン氏、デビュー後初来日!

 トム・ハンクス主演の映画『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズの原作者で知られるベストセラー作家ダン・ブラウン氏が、最新作「オリジン」(KADOKAWA)刊行を記念して、デビュー後初めての来日を果たし、28日、都内で記者会見に出席。「オリジン」の題材に最新テクノロジーである人工知能(AI)を選んだ理由や、彼が一貫して追い求める「宗教と科学技術の対立」というテーマに対するこだわりついて、記者の質問に答えた。

映画版『ダ・ヴィンチ・コード』フォトギャラリー

 現在53歳の彼は、1998年の作家デビュー後、宗教象徴学者ラングトン教授を主人公とするラングトンシリーズの諸作品で知られる。第1作「天使と悪魔」から「ダ・ヴィンチ・コード」「ロスト・シンボル」「インフェルノ」と続くシリーズの日本国内発行部数は1,720万部以上。シリーズ第5作の「オリジン」は、「われわれはどこから来て、どこへ行くのか」という人類最大の謎を解く映像を公表しようとしたラングトンの元教え子が、発表直前に暗殺されたことから、ラングトンがAIの助けを借りて、事件の謎に迫って行く。

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 最新作でAIを題材に選んだ理由を聞かれたブラウン氏は「私たちがこれまで知っているどんな技術よりパワフルで、今後、私たちの生活に多大な影響力を持つものだから」と話し、AIが人類の知能を超えてしまう転換点(シンギュラリティ)への懸念についても「人類がその瞬間を賢く使うことで、人類の知性にとっても飛躍になる可能性があるのでは? 自分はこの点では楽観的」と明かす。ただ問題なのは「AIの能力や進化のスピードに、人類の哲学や倫理観、道徳観が追いつかず、いずれ私たちがまったく経験したことのない倫理的問題に、直面せざるを得ないこと」と分析した。

 科学技術への彼の信頼の背景には、幼少期に経験した宗教への疑問があるという。「敬虔なキリスト教徒の両親は、神が人類を創造したという物語をよくしましたが、学校の遠足で訪れた博物館には、人類は猿から進化したと展示がありました。どちらが正しいのか、地元の神父さんに聞いても、そんな質問をしてはいけないと言われた。私は、科学と宗教の二つの世界でずっと混乱し、両者の関係を追い求め、探求する手段を小説に見出したというわけです」とブラウン氏。

 さらに「神の領域と考えられていた例えば、雷などの現象は、いまは科学で説明できます。科学は、宗教の領域を狭めているが、逆にいえば、科学技術が今まで存在しなかった人間同士の相互接続をもたらし、言語の違う人同士のコミュニケーションを可能にして、新しい精神性の源になれるかもしれない。最新の量子力学と、古代仏教の世界観が似通っているのもいい例です。技術によって科学と宗教の関係の溝が埋まるかもしれない」と両者の関係への次なる希望を語り、さらに「新作(『オリジン』)では、古代と現代を合わせることを意図して、スペインを舞台に選びました。古いカトリックがいまもパワフルでありながら、一方でAIやスーパーコンピュータの分野のリーダーで、現代アートの宝庫でもあるから」と少し種明かしもしていた。(取材・文/岸田智)

小説「オリジン」(上・下巻)は各1,800円(税抜き)で販売中

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