柄本佑、ニューヨーク・アジア映画祭で主演作を語る

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左から冨永昌敬監督と主演の柄本佑

 現在開催中のニューヨーク・アジア映画祭のオープニングナイトを飾った映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』について、主演の柄本佑冨永昌敬監督が、6月29日(現地時間)、ニューヨークのリンカーン・センターにあるエリノア・ブーニン・マンロー・フィルム・センターでインタビューに応じた。

【動画】映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』予告編

 本作は、雑誌「ウイークエンドスーパー」「写真時代」などの編集長として知られる末井昭の自伝的エッセイを映画化したもの。小学生の頃に母親と不倫相手がダイナマイトで心中する体験をした末井昭(柄本)。高校卒業後、ひょんなことから雑誌業界に入った彼は、やがて写真家の荒木経惟とコンビを組み、伝説の雑誌「ウイークエンドスーパー」などの編集長として活躍する。映画『パビリオン山椒魚』の冨永監督がメガホンを取った。

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 末井を演じた柄本は、原作を読んだ際、自分のことをとても客観的に書いていることに驚いたという。「実際にご本人に会って話してみると、何億もの借金があったそうなんですが、全然大変そうじゃない感じで話してくれるんです。そういった性格が、原作にも表れていて、何か大変なことも、本当にさらっと書かれている感じなんです」。冨永監督も「彼本人もすごい面白い人なんですけど、自分以外の面白い人を観察する目がすごいんです」と末井の魅力を語る。

 そんな末井はエロ雑誌の編集長として活躍するが、本当はエロ雑誌を作りたいとは思っていなかったと冨永監督はいう。「彼はグラフィック・デザイナーになりたくて、エロ雑誌を始めたときも、おそらくまだそう考えていたと思います。普通のエロ雑誌と違って、末井さんが作った雑誌は、実はそういう部分が少ないんです。本当に何分の一くらいしかなくて、それ以外はアンダーグラウンド・カルチャーを紹介するページや森山大道さんとか、荒木経惟さんとか、アーティストに文章を書かせたりして、半分はエロ雑誌ですけれど、半分はカルチャーマガジンなんです。今あの雑誌は、絶対面白いはずだと思えますが、今から30~40年前の当時は、そんな雑誌が売れるとは思っていなかったと思いますよ」。そこには、普通の雑誌では味わえない面白さがあったようだ。

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『素敵なダイナマイトスキャンダル』 - (C) 2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会

 今年、荒木経惟の写真で長年モデルを務めたKaoRiが、性的暴力被害を訴えて連帯する#MeTooの動きを受けて、ブログで彼を告発したが、ヌード写真を撮るうえで、末井はどのような線引きをしていたのだろうか。「(雑誌の)モデルになる女の子は末井さん自身が探していて、プロのモデルさんに出てもらうようになったのは、『写真時代』になってからだそうです。その頃には、末井さんも荒木さんも、すでにに有名になっていましたからね」と冨永監督。

 だが、それ以前はプロに頼むお金もなかったそうで、「モデルをやってみたいという女の子を探し出しては、説得していたそうです。モデルになった女の子は、映画にもあるように、最初は裸と聞いていなかったりします。それを『芸術』という言葉で乗せて、最終的にそのモデルの女の子が結構楽しんでしまうやり方を、荒木さんもしていたと思います。荒木さんは、写真を撮るときの乗せ方が非常にうまいとは聞いています。けれど、僕自身は末井さんや荒木さんが作っていた良いところしか見ていないと思います。だから僕らも知らないところで、もしかしたらトラブルもあったかもしれませんね」。

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 最後に、今作のどういった部分をアメリカ人に観てもらいたいのかと聞くと、「これだけ世界観なり、空気感なり、時代感みたいなものが徹底して作られていると、そういったことをアメリカ人がどう観てくれるのか、どんなところで笑うのか気になります」と柄本。続いて、冨永監督は「昔のことが描かれている映画ですが、とにかく若い人に観てほしいんです。末井さんがやってきたことは、若者からするといろいろなヒントがある気がします」と締めた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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