塚本晋也&小島秀夫 二大クリエイターが語るエンターテインメント

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KOJIMA PRODUCTIONSルーデンスを前に握手! 塚本晋也監督と小島秀夫監督

 新作映画『斬、』(11月24日公開)の公開が迫る塚本晋也監督と、同じく新作ゲーム「DEATH STRANDING」(デス・ストランディング)の開発に勤しむ小島秀夫監督が KOJIMA PRODUCTIONS で対面を果たし、エンターテインメントのあり方について語った。

【動画】映画『斬、』予告編

 作家・大岡昇平の小説を原作に、戦争の恐ろしさを徹底的に追求した『野火』から4年。『斬、』で塚本監督は、開国か否かで揺れる江戸近郊の農村を舞台に、時代の波に翻弄される浪人・杢之進(池松壮亮)の姿を通して、世の中が人を殺すことに傾くことへの疑念を投げかける。

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 自ら“塚本晋也研究家”を名乗る小島監督は、『斬、』が、現代にも通じるテーマを内包した一本だと語る。「『野火』は、職業軍人ではない主人公が、行きたくない戦争で酷い目に合うさまを描きました。『斬、』は、刀を与えられながら、世の中が変わって使えなくなった人たちの話なんだと。武士は職務を果たすために公に刀を与えられている。それに意味がなくなったとき、彼らはどうするのかを描いている。これが職業軍人であれば刀は銃になります。アメリカを中心に、軍が世界を守っているとされているこれまでの時代にも通じる話になっているんです」

 劇中では、剣豪・澤村(塚本監督)が、杢之進の実力を見込んで、京都の動乱への参加を持ちかける。塚本監督は、そこから京都を舞台にした活劇ではなく、人を斬ることに疑問を持つ杢之進の葛藤に迫った。「僕自身が編集していて、おおー! っとなるヒロイズム的な展開に喜んでいると、すっごく居心地の悪い方向に向かっていく。敵に向かっていた刃が、いつの間にか自分を向いているというか。日本も徐々に、世の中が人を殺す方向に近づいていっているけど、大丈夫なのか? という問いかけはしているつもりです」

 一方で、塚本監督は「最後はお客さんがご自由に考えてくださいと、ドーン! と投げかける映画になっていますけど、大丈夫ですかね。一般的にどうなのだろう」と苦笑しつつ不安も告白。しかし小島監督は「大丈夫でしょう」と断言する。

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 「何の問いかけもなく、ただよかったねと終わってしまう物は、すぐに新しい物に上書きされてしまいます。この胸のうずきは何なんだ? と切り傷みたいな思いを観た人に残すと、傷が治癒していく過程で、作品をわかっていくというか。そもそもエンターテイメントってそういう物であったはずですから」

 その言葉に塚本監督も「あーよかった! ってなるだけでは、そこで完結してしまいますからね。そういう傷を残すような物が、ある時期はあったのですけどね」と吐露。小島監督は「そこで『斬、』はちゃんと斬ってくれる映画ですから。皆さんも傷口を治す過程で、(映画を)咀嚼していってほしい。そういう映画はなかなかないですから。斬られても、心地よい物でもありますよね」と真の意味のエンターテイメント作品であると太鼓判を押していた。(編集部・入倉功一)

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