町山智浩、高評価ホラー『へレディタリー/継承』を徹底解説!実は嫌な家族映画

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『へレディタリー/継承』について語った町山智浩

 30日、映画評論家の町山智浩が、TOHOシネマズ新宿で行われた、映画『へレディタリー/継承』のトークショーに出席し、影響を与えた映画たちの紹介や、監督のアリ・アスターとのエピソードを交えながら、本作を解説した。

【動画】『へレディタリー/継承』予告編

 『へレディタリー/継承』は、ある一家の家長の死後、残された家族に襲い掛かる恐怖体験を描いたホラー作品。サンダンス映画祭において「ホラーの常識を覆した最高傑作」「現代ホラーの頂点」など最高の評価を受けた本作について、「冒頭から30分で、違う映画に突入していく」と語る町山は、アスター監督自身も、オカルトホラーのふりをしながら、そのつもりで作っておらず「家族の映画だ」と言っていたことを明かす。

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 実は本作は、ロバート・レッドフォード監督の『普通の人々』(1980)や、アン・リー監督の『アイス・ストーム』(1997)など家族の崩壊を描いた作品に影響を受けており、アスター監督も、イングマール・ベルイマン監督が、上流階級の3人姉妹と召使の愛と孤独、性を描いた『叫びとささやき』(1972)目指していたのだという。

 続けてラース・フォン・トリアー監督の『アンチクライスト』(2009)や、ミヒャエル・ハネケ監督の『白いリボン』(2010)などの印象的なシーンと本作との類似点をあげていた町山は、こうした作品を「嫌な家族映画」と説明。さらに、アスター監督は溝口健二監督の『雨月物語』(1953)や、新藤兼人監督の『鬼婆』(1964)などの日本映画も参考にしていたというエピソードも明かした。

 なぜアスター監督は、長編デビュー作にこうした題材を選んだのか。町山は、アスター監督が「この映画は自分にとってのセラピーになっている」と話していたことを告白する。「この映画は悲劇的で絶望的な結末ですが、その物語を作って、オカルトエンターテインメントに昇華させることで、アスター監督に起こった家族に関する悲劇を克服しようとしたんだと思う。映画というのはパーソナルなものがないと切実にならない」と製作の意図をくみ取っていた。

 町山によると、アスター監督はすでに2作目の撮影を終えているとのこと。そのうえで観客に「芸術映画をホラーの枠組みで作ろうとしているアスター監督に注目してください」と呼びかけていた。(磯部正和)

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