蒼井優、女優生活20年を振り返る

女優生活20年を迎える蒼井優
女優生活20年を迎える蒼井優 - 写真:高野広美

 1999年上演のミュージカル「アニー」で女優デビューを果たした蒼井優。それから20年、最新作となる映画『長いお別れ』では、著書「俳優のノート」から「お芝居の一歩目を学んだ」という山崎努と父娘役で共演を果たした。誰もが認める日本映画にとってなくてはならない存在となった蒼井だが、映画の現場を経験していくうちに心境の変化が生じてきたという。

日本映画になくてはならない存在!蒼井優インタビューカット集

 本作で蒼井は、山崎演じる認知症を患う父・昇平の期待に添えないことに引け目を感じながらも、自らの人生に奮闘していく次女の芙美を好演している。いつかカフェを開きたいと地道に頑張るも上手くいかず挫折を味わう。それでもしがみつき踏ん張っていくなか、30歳を超えたときに父親の病気がきっかけで芙美は再度家族と向き合い、多くのことに気づかされる。

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 蒼井自身も芝居を始めて20年という節目を迎える。作品に対するスタンスや芝居に向き合う姿勢について「携わる映画のバランスなども考えませんし、特に変わった感じはしない」と述べていたが、「でも昔より番手は気にならなくなってきたかな」とつぶやく。

 「昔は主役が怖くてしょうがなかったんです。そんな器ではないという気持ちが強くて……。でも最近はそういう気持ちも薄れてきました」

蒼井優

 こうした気持ちの変化について、蒼井は「映画を作ることの喜びを知ったからだと思います。そのことで、自我は後回しになった。主演だと言っても、映画はみんなと一緒に作るものだし、怖さも含めてみんなで楽しめるようになったんです」と説明する。

 長い現場経験によって「映画を取り巻く人々」が、自身の思い以上にかけがえのない存在だと感じるようになった。「ちょっと悲しい話かもしれませんが、わたしは東宝スタジオにいるときが一番楽しいんだと実感しているんです。いろいろな映画チームが撮影していて、食堂に行けば、たくさんの映画人がいて『お疲れさま』みたいな(笑)」

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 同じことを日本アカデミー賞授賞式の現場でも感じたという。蒼井は『フラガール』(2006)で最優秀助演女優賞、『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)で最優秀主演女優賞を受賞するなど、日本アカデミー賞の常連とも言える。「お互い何年も同じ現場で仕事をしていなくても、同窓会みたいに感じられる。すごく嬉しいことだし、そういう感覚になれることで、より映画が好きになっていっています」

 もともと女優としても「誰かを支えることが好きなので」と助演が性にあっていると語った蒼井。その意味で、本作で認知症になった父を、みんなで支え合う家族の姿は、蒼井の映画に携わる姿勢に似ているように感じられた。(取材・文:磯部正和)

映画『長いお別れ』は公開中

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