鬼才ロイ・アンダーソン監督、不思議な映画で描く“傷つきやすさ”

第76回ベネチア国際映画祭

映画『アバウト・エンドレス(英題) / ABOUT ENDLESSNESS』より
映画『アバウト・エンドレス(英題) / ABOUT ENDLESSNESS』より

 スウェーデン映画界が誇る巨匠ロイ・アンダーソン監督が3日(現地時間)、第76回ベネチア国際映画祭で行われた映画『アバウト・エンドレス(英題) / ABOUT ENDLESSNESS』の公式会見に出席し、作品で描いている人間の“傷つきやすさ”について語った。

【動画】ロイ・アンダーソン監督の前作『さよなら、人類』予告編

 『さよなら、人類』で第71回ベネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞しているアンダーソン監督。車椅子に乗って登場して席に移る際には杖も使っていたが、会見場所に集まった記者たちからの拍手に対して優しい笑顔を見せ、手を振った。会見の冒頭では司会者も「アンダーソン監督、おかえりなさい」と監督のことを出迎えた。

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 アンダーソン監督が作品で描いている人間の“傷つきやすさ”について質問が出ると「“傷つきやすさ”を感じることができるのは、この地球で人間だけです。“傷つきやすさ”があることに私たちは感謝すべきです。“傷つきやすさ”は贈り物なのです」とアンダーソン監督は話し始めた。

 「なぜなら、“傷つきやすさ”があることで、自分以外の人が幸せなのか不幸せなのかを理解することができます。それができるようになれば私たちの人生はずっと豊かなものになるのです。だから私は“傷つきやすさ”を持って生まれたことにとても感謝しています」

ロイ・アンダーソン
スウェーデンの鬼才ロイ・アンダーソン監督 - (C)La Biennale di Venezia - foto ASAC

 今年のベネチア映画祭のコンペティション部門に出品され、プレミア上映された『アバウト・エンドレス(英題)』は、アンダーソン監督ならではの不思議な映画に仕上がっている。詩のようなセリフ、絵画のようなカットが静かに映し出され、複数のストーリーが進行していく。ウィットに富んだ表現やセリフも多く、ベネチアでのプレス向けの上映では笑い声と拍手が上映中に何度も劇場をつつんでいた。

 アンダーソン監督とともに会見に参加した本作のプロデューサーは「監督が頭の中で思い描いているものを映画にすることは決して容易なことではありません。それでも作品を観客に届け、監督が持っている美しい考え方を伝えることはとても重要なことだと思っています」と語っていた。(編集部・海江田宗)

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