松重豊、芸歴30年にして映画初主演の心境

リラックスが一番。 - 写真:伊原正浩

 俳優歴30年以上、名バイプレイヤーとして名高い松重豊が、『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』で映画初主演を果たし、俳優としてカメラの前に立つ際のスタンスと、初主演の撮影現場で心掛けたことを語った。

【場面写真】白桃食べるシーンはお手の物!

 強面の悪役を演じれば底しれない怖さをにじませ、頑固オヤジ役ではその頑固さの裏にある愛情までが見え隠れする。そんな深みと広がりを持つ芝居でひっぱりだこの松重は、今年に入ってからだけでも、テレビドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」「白い巨塔」「悪党 ~加害者追跡調査~」などに出演。連続テレビドラマ初主演作となった代表作は、ひたすらご飯を食べ続ける男を演じて開始から7年を超えたシリーズ「孤独のグルメ」だ。

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 『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』は、満を持しての映画での初主演作だが、本人は「よけいなことは考えません」といたって平常心。「役者ですから、セリフと相手役があって、カメラが回って、監督がオッケーって言ってくださったら、もうそれだけでいいんです」ときっぱり。「そのときにちゃんと僕の心が動いていればフィルムに残るので、それをお渡しする瞬間がすべてです」とし、その後のことはすべて監督に託すのだという。

 主役の場合は、それに少しだけプラスされる要素がある。撮影現場で演者全員がカメラの前でリラックスして、その全力を発揮できるような場を心掛けることだ。「役者を緊張させたり怒鳴ったりしていい芝居を引き出しても、それは生きた演劇じゃないと思います」と演技論を語った。

 多くの経験から積み上げられた、松重流の演技術。男性不妊という現実に直面して妊活に奮闘する年の差夫婦を描き、辛く苦しい事象も多々描かれる本作だが、ベテラン俳優のその手腕がいかんなく発揮され、撮影現場ではキャストもスタッフも笑いが絶えなかったという。穏やかな撮影から生み出された心温まる家族の物語は、奥行きのある俳優・松重豊の初主演映画にふさわしい感動作だ。(取材・文:早川あゆみ)

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』は全国公開中

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