役所広司『果てしなきスカーレット』収録は1日「時給が高い」とジョークも　細田監督絶賛「ものすごい熱量」

　俳優の役所広司が21日、都内で行われた、細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』の初日舞台あいさつに登壇。芦田愛菜が声を担当する主人公スカーレットの敵役・クローディアスの声を担当した役所は、4度目となる細田作品にして、初めて主人公の敵役に抜てき。「これまでとは真逆の役。1日で撮ったんですが、監督は（本作の制作に）4年をかけてる。僕は時給が高いですよね」とジョークを飛ばして笑顔を見せた。この日はそのほか、ボイスキャストの岡田将生、柄本時生、青木崇高、染谷将太、白山乃愛、斉藤由貴、松重豊も登壇した。

【画像】芦田愛菜が美麗ドレスで登壇『果てしなきスカーレット』初日舞台あいさつ

　本作は、父親を殺した相手への復讐（ふくしゅう）に失敗した王女スカーレット（芦田）が、死者の国で目を覚まし、宿敵に復讐し、見果てぬ場所にたどり着かなければ、虚無となり存在が消えるという運命の中、冒険の旅に出るアニメーション映画。

　役所は、染谷も細田作品に携わるのが4度目だと聞かされると「染谷さんも4回出てるの？　くそぉ～」と笑いながら「細田さんの監督作品には全部参加したいと思っていたので、今回も参加できて光栄です」と語るなど、お茶目なコメントを連発する。

　染谷は「初めて自分の声を作って、芝居の時と違う声で必死でしたけど、楽しく演じさせてもらいました」とコメント。「作品を観た時に涙が止まらなかった。世界中の人に届けば」と充実した表情を見せていた。

　細田監督は「この作品を作るのに4年半かかりました。初日を迎えることができて嬉しい」としみじみコメント。役所が1日の収録だったと明かしたことに触れ「1日っておっしゃってますけどものすごい熱量で……」と尊敬の表情。「敵役でスカーレットに大きく立ちはだかる役。最後は、ブースが熱気で汗ばむくらいでした。感激したのを今も思い出します」と振り返った。

　その言葉に、役所は「これだけの素晴らしいキャストと細田監督の作品に出られて光栄です」とあらためて感謝し「（細田監督が）未来の人間に向けて強いメッセージを表現された作品だと思います」と話していた。（取材・文：名鹿祥史）

映画『果てしなきスカーレット』は全国公開中