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神谷浩史、ぶりぶりざえもん役決定時は震え止まらず 映画デビューに「特別な思い」

 国民的アニメ「クレヨンしんちゃん」シリーズで熱い支持を集めている“救いのヒーロー”ぶりぶりざえもん。初代声優を務めた塩沢兼人さんが2000年に逝去されて以来、16年間封印されていたが、2016年より声優の神谷浩史が後を引き継ぎ、11日より公開される『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』では2代目ぶりぶりざえもんとして、ついにスクリーンデビューを果たす。「声優を続けてきて本当によかった」と感無量の表情を見せる神谷が、ぶりぶりざえもん役に懸けた思い、さらにはコロナ禍で感じた声優としての“今”と“これから”について思いの丈を語った。

神谷浩史版・ぶりぶりざえもん活躍!『映画クレヨンしんちゃん』予告編

 劇場版シリーズ第28弾となる本作は、主人公の野原しんのすけ(声:小林由美子)が描いたものが具現化するミラクルクレヨンで描いたラクガキたちと一緒に奮闘するアドベンチャー。崩壊寸前の王国ラクガキングダムを救うためミラクルクレヨンを託されたしんのすけは、自分のラクガキから飛び出したぶりぶりざえもん、ブリーフ、ニセななこらとともにほぼ四人の勇者として強敵に立ち向かっていく。

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突然の抜てきにプレッシャーで震えが止まらなかった

映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者
(C) 臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2020

 2016年5月、神谷が亡き塩沢さんの後を継ぎ、テレビアニメ「ぶりぶりざえもんの冒険 覚醒編」「ぶりぶりざえもんの冒険 閃光編」の連続オンエアで16年ぶりに復活を果たしたぶりぶりざえもん。「クレヨンしんちゃん」シリーズを数多く手掛けているムトウユージ監督、水島努監督とデビュー当時から親交があったことからオーディションという形で神谷に声が掛かったそうだが、「今までの出会いや実績がつながって、ぶりぶりざえもんにたどり着いたような気がして……本当に声優を続けてきた甲斐がありました」と声を弾ませる。

 その反面、プレッシャーは「ものすごかった」と吐露する神谷。「どんな作品でもプレッシャーはありますし、『監督の期待に応えることができるだろうか?』と、いつも怯えながら収録現場に行くんですが、特に『クレヨンしんちゃん』は僕が声優になる前からテレビでやっていて、歴史もあるし、誰もが知っている国民的アニメ。僕にとっては唯一無二の作品です。しかも事務所の大先輩である塩沢さんに代わって自分の名前がクレジットされるなんて……もうやばすぎて、震えが止まらなかったですね」と振り返った。

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塩沢さんの思いを継承しつつ“昭和のスター”をイメージ

神谷浩史

 コロナ禍で延期されていた本作の劇場公開も決定し、いよいよスクリーンデビューを果たすことになったぶりぶりざえもん。「やはり感無量というか、特別な思いはあります」と言葉をかみしめる神谷。「どうしても、自分が演じたぶりぶりざえもんを中心に観てしまうのですが、お子さんはもとより大人の方でも、10人中10人が楽しめる作品に仕上がったと思います。出演している僕が言えば言うほど信ぴょう性がなくなるかもしれませんが(笑)、しんちゃん史上最高傑作だと胸を張って言いたい」と手放しで絶賛する。

 ぶりぶりざえもんの演技にも「手応えを感じた」という神谷。「当時、しんちゃんを担当していた矢島晶子さんから、『ぶりぶりざえもんはしんちゃんが描いた分身だからよろしくね!』と言われたことがありました。まずは、それを新たにしんちゃん役に抜てきされた(小林)由美子に伝えて、思いを共有することから始めました」と述懐する。

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 さらに、「長いものには瞬間的に巻かれ、次のシーンでは敵味方がさっと入れ替わるしんちゃん譲りの変わり身の早さも意識した」という神谷は、「そこに逡巡(しゅんじゅん)など一切なく、何事もなかったかのようにカッコよくセリフを決めるんですよね。外見はブタだけど、心は貴族。おまけにメガホンを取った京極(尚彦)監督から『昭和のスターのように演じてほしい』とリクエストされたので、石原裕次郎さんを思い描きながら演じました」と役づくりを明かした。

エンタメ業界で食べていく覚悟

 本作の劇場公開はなんとか決定したが、コロナ禍によってエンターテインメント業界はまだまだ苦しい状況が続いており、神谷自身も外出自粛期間中、改めて声優としての“今”と“これから”について思うことがあったという。「僕も45歳になりましたが、エンタメ業界で食べていく、自分の声で食べていくという、ある意味『覚悟』ができましたね。いまさら別の仕事もできませんし。その覚悟が決まったなかで、今の自分にできる『新しいこと』をこれからどんどん模索していきたいと思っています」と前向きに発言。

 年齢による仕事の変化についても神谷は、「僕ら声優は、声だけでアプローチしていくので今だに高校生の役をやらせていただいたりするんですが、例えば、45歳なら45歳という年齢にしか出せないものを『魅力』に変えていこうという意識があれば、この先もっと幅広くやれることがあるのではないか」と期待を寄せる。さらに神谷は、「年齢とともにアプローチできるところを変えていけたら、新しい何かがきっと見つかる……その思いが今の僕の原動力かもしれませんね」と目を輝かせていた。(取材・文:坂田正樹)

『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』は9月11日公開

山田裕貴らが声の特別出演!『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』予告映像 » 動画の詳細
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