『TENET テネット』はノーラン版007!7つの共通点

『TENET テネット』より
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 極秘任務を請けたスゴ腕エージェント“名もなき男”が、人類を破滅に導く陰謀に立ち向かう。クリストファー・ノーラン最新監督作『TENET テネット』(公開中)を一言でいえば、SF仕立てのスパイ・アクション。ノーランはかねてからスパイ映画、中でも『007』の大ファンを公言しており、その影響は『ダークナイト』 トリロジー(2005・2008・2012)や『インセプション』(2010)など過去作にも見てとれた。『007』の監督就任に意欲を見せ、実際にバーバラ・ブロッコリらシリーズのプロデューサーとミーティングを繰り返してきたノーラン。そんな彼の『テネット』に透けて見える『007』との共通点を挙げてみた。(神武団四郎)

【動画】『TENET テネット』の舞台裏!メイキング映像

1:秘密組織でのミッション

 イギリスの秘密情報部MI6所属のジェームズ・ボンド。彼にミッションを与える上官がMである。『テネット』でこの立ち位置にいるのが、キエフでのミッションの後、“名もなき男”をリクルートする組織の男フェイ(ちなみに、演じるマーティン・ドノヴァンの頭文字もM)。

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 “名もなき男”(ジョン・デヴィッド・ワシントン)に時間の逆行を説明する女性科学者バーバラ(クレマンス・ポエジー)は、MI6で数々の秘密道具を開発したQの役どころ。研究以外のことにはあまり興味がなさそうなところもQに似ている。

2:デフォルトは英国製の高級スーツ

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 ロシアの武器商人セイター(ケネス・ブラナー)の情報を入手するため、イギリス諜報機関のクロズビーに会った“名もなき男”。高級スーツでキメた彼を目にしたクロスビーは、アメリカ製の安物だなとダメ出し。ジェームズ・ボンドと聞いて、まず思い浮かぶのがスーツやタキシードを着て銃を構えたダンディーな姿。クロズビーの忠告を受けた“名もなき男”は、フォーマルからカジュアルまでボンドよろしく装ってセイターのもとに乗り込んでいく。

 クロズビーを演じているのはノーラン組常連のマイケル・ケインで、その出世作がスパイ・アクション『国際諜報局』シリーズ(1965~67)。ケインは、ボンドとはひと味違うやや影のある主人公ハリー・パーマーを好演した。このシリーズは『007』シリーズのハリー・サルツマンのプロデュース作である。

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3:敵は極悪非道な大富豪

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 莫大な報酬と引き換えに未来人と手を組む本作の悪役が、セイター。冷酷で暴力的、つねに相手を見下すコワモテの大富豪である。東西冷戦を背景に、1963年にスタートした「007」シリーズの悪役は、世界制覇を狙うブロフェルド率いる犯罪組織スペクター。彼らは兵器開発や宇宙開発競争など、米ソの対立構造を利用しながら暗躍した。ソ連崩壊を利用してのし上がった極悪非道なセイターは、「007」にもよく似合う悪役だ。

 『007/私を愛したスパイ』(1977)と『007/ムーンレイカー』(1979)には、ボンドの宿敵としてジョーズ(リチャード・キール)という2メートルを超える巨漢の殺し屋が登場した。2作のみのゲストキャラでほとんどセリフもなかったが、コミック調の怪力でファンに強烈な印象を残した名脇役だった。セイターのボディガードで、クライマックスで“名もなき男”と対峙したボルコフ(ユーリー・コロコリニコフ)は、背が高く無口で豪腕とまさに『テネット』版ジョーズである。

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4:ゴージャスな美女

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 ジェームズ・ボンドに似合うのは、銃と車と美しい女性。『007』には次々とボンドガール(ボンドレディ)が登場し、たとえハニートラップとわかっていてもボンドは余裕の笑顔で彼女たちとの駆け引きを楽しんだ。本作に登場するヒロインは長身の美女キャット(エリザベス・デビッキ)。ルックスに加え、セイターの妻という敵か味方か微妙な立ち位置も魅力。 “名もなき男”はいい感じに彼女との距離を縮めていくが、あと一歩を踏みださない生真面目さは、ある意味ノーランらしい。

5:世界を股にかけた活躍

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 国境を越えて展開する「007」名物が、世界各地のロケーション。イギリスをはじめ、フランス、イタリア、スイス、オーストリアほかヨーロッパ各国、南北アメリカ、日本や香港などアジア圏、中東からアフリカまで、ボンドはありとあらゆる国々で活躍した。

 ボンドに負けじと“名もなき男”もウクライナにはじまりインド、ロンドン、ノルウェー、イタリア、エストニア、ロシアなど世界各国を飛び回る。絵ハガキのような美しい景観の数々は、そのまま『007』に使えそう。そんな景色を眺めつつボンドならウォッカ・マティーニを味わうだろうが、仕事中に酒は飲まない“名もなき男”はダイエット・コーク……。相棒ニール(ロバート・パティンソン)の方はウォッカ・トニックがお好きらしい。

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6:秘密のガジェット

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 仕掛け満載のブリーフケース、タバコ型の銃、レーザー光線や通信機能を仕込んだ腕時計、水陸両用のスポーツカー……『007』は常識を超えたマシンやガジェットの宝庫だ。『テネット』の驚くべきマシンといえば、やはり時間の逆行装置。密閉されたふたつの部屋を繋ぐ回転扉に入ると、時間を逆行できるというユニークなタイムマシンである。人間の持ち物も一緒に逆行するようで、逆行弾という想像を絶する兵器が誕生した。

7:常識破りのカーアクション

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 アクション映画の花形といえばカーアクション。ボンドカーが大活躍する『007』でも、多彩なカーアクションが描かれてきた。最初に観たボンド映画が『007/私を愛したスパイ』だというノーランは、水中に突っ込んだロータス・エスプリS1が潜水艇に変形するのを見て仰天したという。『ダークナイト』(2008)のバットモービルは、そんなトランスフォームへの憧れだろうか。『テネット』でノーランが見せたカーアクションは、逆行チェイス。“名もなき男”らの順行カーと、セイターらが乗った逆行カー、さらに逆行した“名もなき男”の逆行カーが入り乱れ、スピード感+何が起きているのか戸惑いそうな超絶チェイスを展開。多くの車両を動員しプルトニウム輸送車を襲う強奪シーンもスリリングで、今作でもノーランのアクションは冴えていた。

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