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新型コロナ予言ドラマに陰謀論も…主演女優の受けた衝撃

「アウトブレイク-感染拡大-」で主演を務めたジュリー・ルブレトン 撮影で日本に滞在したことも
「アウトブレイク-感染拡大-」で主演を務めたジュリー・ルブレトン 撮影で日本に滞在したことも - (C) Sphere Media 2016 inc.

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行直前からカナダで放送され、コロナ禍を予言したかのような内容で話題を呼んだドラマ「アウトブレイク-感染拡大-」。本作で、感染拡大の阻止に奔走する医師を演じた女優のジュリー・ルブレトンが、DVD発売とレンタルに先駆け、撮影後に現実のコロナ禍を体験した思いや、寄せられた反応を振り返った。

 本作は、カナダのケベック州モントリオールを舞台に、新型コロナウイルスの感染拡大を描いたパニックスリラー。ジュリーは、感染源の特定と市民への対応に奔走する、感染症専門医のアンヌ=マリーを演じた。細菌性の肺炎などに苦しむ患者や、感染者への差別、マスクの不足といった、現実そのものの描写で話題を呼んだ本作だが、撮影は2019年の時点でほぼ終了しており、放送スタート直後に感染拡大が騒がれだしたことに、スタッフやキャスト陣も衝撃を受けていたという。

 「とても奇妙な感じがしたのを覚えています。当時は、監督の ヤン・ラヌエット・チュルジョンや(共演者の)ギョーム・シールなんかと『これは(ドラマに)近すぎる』『クレイジーだ』とかメッセージを送り合いながら、ニュースを観ていましたね」

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 新型コロナをめぐるスリリングな物語は一躍話題となり、カナダでは、1月~3月期における視聴率No1を記録。「皆さんの反応にはとても満足していて、嬉しく思っています」というジェリーは、その一方で、「ドラマの中の状況と現実が混同しているような、奇妙な感覚を味わったのを覚えています。街を歩いていて、時には『君のせいだ』と声をかけられたり、『なんとか治癒の方法を探してほしい』と言われることもありました。私は役を演じていただけなのですが」と振り返る。

 一部の視聴者からは「製薬会社に資金をもらったのでは?」「ワクチンのコマーシャル(広告)ではないか?」など、陰謀論めいた意見が寄せられたこともあったというが、「実際に製薬会社がついていたら、ドラマの予算だって大きかったはずよね(笑)」と一笑に付すジュリー。「撮影日は55日間、1日に15~16時間くらいのハードな撮影をしていました。でも、ケベック州のドラマは予算が少ないので、こんなものです」と明かす。

 「私は科学が好きだし、ウイルスがどう変遷していくのかについてもある程度の知識がある」というジュリー。それだけに、SNS等で得た安易な”答え”に頼る現状に警鐘を鳴らす。「誰もが恐怖を感じた時に『答え』を模索するものです。そうした事を言うような人たちは、ものすごく難しい問題への答えを簡単に手に入れようして、いわゆる陰謀論みたいなものを信じてしまうのかなと思います。おかしいけれど、これはとても怖いことです」

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 実際のところ、ドラマと現実とのリンクは、脚本家チームのリサーチがいかに正確であったのかを証明するものだろう。本作では、専門家による手洗いの方法など、感染予防に役立つ知識も身につく。「いろんな人が『これを観て手洗いの重要性を学びました』って言ってくれるんです。教育的な側面のあるテレビシリーズでもあったかなと思います」。

「アウトブレイク -感染拡大-」

 反響を受けて、すでにシーズン2の製作も決定しているが、ケベック州のテレビドラマは、2年ほど間を置くことが多いため「撮影に入るとしても、来年になると思います」とのこと。その前に本作に触れる日本の視聴者に向けて「人は危機的状況にあると、国や文化に関係なく、同じようなリアクションをし、同じように恐怖を感じ、喪失を経験したりするものだと感じてくれたら。世界の反対側と言ってもいい、カナダ・モントリオールの街で起こっている事ではあるのだけど、この物語を普遍的なものとして捉えてもらい、観た人の心に触れる事ができたら嬉しく思います」と呼びかけた。(編集部・入倉功一)

ドラマ「アウトブレイク-感染拡大-」DVD-BOX(5枚組)は11月13日発売&レンタル開始(全10話/シーズン1)価格:1万円(税抜)※レンタルはGEO先行

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