『羅小黒戦記』宮野真守が語るシャオヘイとムゲンの関係

ムゲン役を務めた宮野真守
ムゲン役を務めた宮野真守

 数多くの人気アニメで印象的なキャラクターを演じ、今年は声優歴20周年を迎えた宮野真守が、中国アニメを代表する話題作『羅小黒戦記』の日本語吹替版『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』に出演。人と妖精の共存を願い、不穏な動きをする妖精たちを法に基づいて捕らえる任務に就く“最強の執行人”ムゲン役を務めた。「複雑な関係にある妖精と人間が出会い、互いに影響を受けることによって、いろいろなものが見えてくる」という彼が、主人公である黒ネコの妖精・シャオヘイとムゲンの関係や、役づくりについて語った。

【動画】宮野真守のインタビュー映像

ムゲンにとって、シャオヘイの存在は心の支え

羅小黒戦記
(C) Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

 本作は中国のアニメーター、アニメ監督のMTJJと、彼が代表を務める北京のアニメ制作会社“寒木春華スタジオ”が制作した全28話のWEBアニメシリーズが原点。今回の劇場版はWEBアニメシリーズの前日譚にあたり、2019年9月に公開された中国では興行収入約49億円のヒットを記録した。近代化が急速に進んだ現代の中国を舞台に、森が人間に開発されて居場所を失った黒ネコの妖精シャオヘイ(花澤香菜)と、人間を許すことができない妖精フーシー(櫻井孝宏)、そして人と妖精の間に立とうとする人間ムゲン(宮野)との出会いと戦いを描くアクション・ファンタジーだ。

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 宮野は自身が演じたムゲンというキャラクターについて「人間でありながら、妖精と人間が共存していくにはどうしたらいいか? 双方のエゴが対立する中で、平和な世界を保つにはどうしたらいいか? を考え続け、そのためにずっと尽力してきた人物。生半可な精神力じゃない、本当に強い男」だと話す。

 そんなムゲンが予期せぬ出会いを果たし、ともに旅をすることになるのが黒ネコの妖精シャオヘイ。「シャオヘイは素直でまっすぐな子なので、本能的に守りたいと思ったんでしょうね。まだ何にも染まっていない、善悪の在り方もよく分かっていない子どもではあるけれど、非常に特別な能力を持っている。その力をどう使っていくのか。進む道を間違ってほしくない、という強い思いをシャオヘイに対して抱いたんだと思います。また、自分のやるべきことに誇りを持って生きているけれど、どこか自己犠牲的な部分もあったムゲンにとって、シャオヘイはとてもあったかいものをくれる存在、心の支えになるんです」

 常に冷静沈着、年齢不詳のミステリアスな人間のムゲンと、純真無垢な6歳の妖精シャオヘイという対照的な2人の関係が、旅を続けていく中で少しずつ変化していく過程は大事な見どころのひとつだ。

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セリフの裏にある思いまで表現

宮野真守

 初めてオリジナルの中国語版を観たときは「ムゲン役の声優さんのお芝居に非常に感銘を受けたし、そこに寄り添いたいなと思った」という宮野。特に印象的だったのは、迫力ある激しい戦闘シーンだ。「戦っているときのムゲンの声が、自分にすごく似ているなぁと思ったんです(笑)。映像を観ていても、あ、今はムゲンが戦っているなっていうのがすぐに分かって、探しやすかった。質感は同じところにあるのかなと感じたので、寄り添うといっても、決して無理に近づけたというわけじゃなかったですね」と振り返る。

 繊細な演技に定評のある彼だけに、今回の吹替版においては、オリジナルの中国語の音声と台本のほかに「先に上映されていた日本語字幕版の字幕も参考にした」とのこと。「セリフにしたときの翻訳と、字幕での翻訳って違っていたりするんですよね。比べてみて、あ、セリフにするとこういう言い回しになるけれど、本質はこういうことを言いたいのかなっていう微妙なニュアンスの違いが分かっておもしろかったし、そこも表現したかった」

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 「特殊な世界設定なので、台本にもセリフやト書き以外に、さまざまな注釈が書かれていたんです。だから、それらをすべて僕の中にしっかり落とし込んで、声の空気感や色合いで表現することで、少しでも多くのものが観る人に伝わればいいなと。そうすれば、ただセリフを言うだけじゃなくて、もっと総合的に、作品の本質に迫れるんじゃないかなって……そんなことを思いながら演じていました」と、役づくりのこだわりを明かした。

ふとしたときにこぼれるムゲンの優しさにグッとくる!

羅小黒戦記
(C) Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

 ムゲンは無口で無表情、まったく愛想のない人物なのに、本国の中国でも、すでに日本語字幕版を観た人の間でも人気の高かったキャラクター。宮野は「ムゲンがシャオヘイをじーっと見つめた後に、フッと笑うところが好き(笑)」だと話す。

 「ムゲンはシャオヘイに対して『こうしたほうがいい』と言うんじゃなくて、『じゃあ、おまえはどうするんだ?』っていうスタンスなんですね。それでシャオヘイが『こうだよ!』って言うと、『そうか』って、ただうなずいて微笑む……みたいな(笑)。シャオヘイを導くためにはどうしてあげたらいいんだろうな、ということを自分の中ではすごく考えていても、決して押しつけない。シャオヘイ自身がどう選択していくのかを、こんなにも優しく見守れる人なんだと感動しました」

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 ちなみに宮野が一番好きなムゲンのセリフは「おいで」だそう。「日本語吹替版のセリフですが、あ、やっぱりムゲンの言葉のチョイスとしては『おいで』なんだぁって。ムゲンの優しさがすごく表れているなと思いました」。また、ラストシーンについては「昨今、稀にみる素晴らしさ!」と絶賛。「シャオヘイを演じた花澤香菜ちゃんがめちゃくちゃかわいいんですよ(笑)。シャオヘイの純粋さがストレートに伝わってくる」と期待をあおっていた。(取材・文:石塚圭子)

映画『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』は全国公開中

宮野真守、本質的な部分に迫るように演じた 映画『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』インタビュー » 動画の詳細
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