吉沢亮、初主演で味わった悔しさ 俳優として火がついた7年前の出来事

山田篤宏監督&吉沢亮 写真:日吉永遠
山田篤宏監督&吉沢亮 写真:日吉永遠

 若手実力派俳優として、映画やドラマに引っ張りだこの吉沢亮。そんな吉沢の新作映画『AWAKE』(12月25日公開)が間もなく公開を迎える。劇中、夢破れどん底に落ちながらも、新たな人生の目標を見出そうと奮闘する主人公を演じた吉沢と、メガホンをとった山田篤宏監督が、挫折から立ち直るための突破口について語った。

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 吉沢演じる清田英一は、幼少期に出会った将棋に魅了され、プロ養成期間である奨励会で棋士を目指していたものの、圧倒的な強さを誇る浅川陸(若葉竜也)に敗れ、棋士の道を諦める。大学に進学し、空虚な日々を過ごしていた英一だがふとしたことからコンピュータ将棋に魅了され、プログラムの開発にのめりこんでいく。

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 そんな英一の生き方に吉沢は「知らないものへの憧れがあるのに、どう触れればいいのか分からず拒絶してしまう感じが、とても人間ぽくていいなと思いました」と共感ポイントを挙げ、挫折というニュアンスではないが、悔しい思いをした経験はあるという。それは2013年にテレビドラマと舞台で主演を務めた「ぶっせん」でのことだった。「初めて主演をやらせていただいた作品だったのですが、舞台版でお客さんが半分ぐらいしか入らなかったんです。俳優の仕事をしていて、初めて悔しさや悲しさを感じました」

AWAKE
映画『AWAKE』より英一(吉沢亮)&陸(若葉竜也)(C) 2019『AWAKE』フィルムパートナーズ

 それまでは俳優業は「いつやめてもいい」と思っていたというが、この作品をきっかけに「火がつきました」と気持ちが変わった。目の色を変えて作品に取り組むようになったことで周囲の目も変わってきたという。「オーディションも徐々に通るようになってきましたし、作品の幅も広がりました。すごい方たちと仕事をする機会にも恵まれるようになったと思います」と当時を振り返る。

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 一方、山田監督は就職活動を挙げる。映画業界を目指すも受けても受けても、いい結果が出ない。そんなとき山田監督は「模範解答になってしまいますが、目線を変えることが重要かなと思います。他の客観的な視点を入れることで、視野が広がるということはある」と自身の体験をふまえた解決方法を述べる。さらに、追い詰められた時には「自分のせいにしないで、環境のせいにしてしまうとか。そうすることで開き直れたりします」とも。

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クライマックスの対局シーン (C) 2019『AWAKE』フィルムパートナーズ

 将棋の対局は、はっきりとした勝ち負けがつく、ある意味で残酷な戦いだ。しかし本作のラストで繰り広げられるコンピュータと人間の対局は、勝敗を超えた意味をもたらす。山田監督は「勝ち負けで判断できない感情がある。そこに魅力を感じたので題材として取り上げました」と語る。

 正解がないところでの勝負という点においては、俳優の世界も同じと言えるかもしれない。吉沢は「結局は自分の満足度なのかもしれません」とつぶやく。続けて吉沢は「自分のなかでうまくいったなと思ってもそれが評価につながらないこともあれば、逆もあって。全然ダメだったなと感じたとき『今の芝居良かったよ』と言われることもある。どちらかというと苦しかった現場の方が褒められることが多い気がします。分からないですね……」と苦笑い。

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吉沢亮
写真:日吉永遠

 そんな吉沢の俳優としての魅力について、山田監督は「芝居に一ひねり加え、工夫をいっぱいしてくれる」と話す。この発言について吉沢は「なんとなく役柄のイメージは持っていきますが、基本的には現場で感じたことを表現するように意識しています」と述べる。

 吉沢のこうしたスタンスは、現場での経験を重ねてたどり着いたもの。「最初のころは台本を読んでいるときからガチガチに決めていったのですが、そうすると現場で生まれたものにまったく対応ができないんです」と過去の苦い経験を吐露。ここ3~4年は、セリフだけを頭に入れ、あとは現場でセットや、相手との芝居の間などで感じたことを素直に表現することを心がけているという。

 将棋という動きの制限された題材に挑み、オリジナル脚本も手掛けた本作で見事商業デビューを果たした山田監督。キャストの「顔勝負」にならないように注意したと演出ポイントを挙げると、吉沢も「英一が挫折から抜け出し成長していく姿をしっかりと表現することにチャレンジしました」と語っていた。(取材・文:磯部正和)

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