神木隆之介、声優として最強に愛される理由!

神木隆之介
神木隆之介

 俳優としてはもちろん、声優としても観客から信頼を寄せられている神木隆之介。アニメ好きとしても知られる神木は、その愛ゆえに妥協を許さず、常に向上心を持って取り組む姿勢が、今の彼の“声の力”につながっている。今夜、日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送される『サマーウォーズ』(2009)も、彼の声優としての力量をたっぷりと感じられる1作。放送を前に、神木の声優としてのキャリアを振り返るとともに、その魅力に迫ってみたい。

【写真】かわいい!子役時代の神木くん

ジブリ作品で、少年期から存在感を発揮

 邦画の歴代興行収入ベスト10のうち、『千と千尋の神隠し』(2001)、『君の名は。』(2016年)、『ハウルの動く城』(2004)、『天気の子』(2019)と、なんと4作品に神木が出演している。まさに、奇跡とも言える偉業。宮崎駿監督作品で、米国の第75回アカデミー賞長編アニメ映画賞まで受賞した『千と千尋の神隠し』で声優デビューということも、なんとも華々しいキャリアのスタートだが、すでに神木の声優としてのキャリアは20年ということになる。

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 『千と千尋の神隠し』の公開当時、1993年生まれの神木はまだ8歳。劇中では、主人公の千尋が迷い込んだ湯屋の経営者・湯婆婆が溺愛する、巨大な赤ちゃんの坊を演じた。「遊ばないと泣いちゃうぞ!」と千尋を脅すなど、甘えん坊でわがままだが、いつの間にかその愛らしさで観客を魅了してしまう坊。わずか8歳にして、神木はしっかりと坊に命を吹き込み、カラフルなキャラクターが勢ぞろいする本作の中でも、すばらしい存在感を発揮していた。

 『ハウルの動く城』でも、少年期の神木の演技が楽しめる。ハウルの弟子の少年・マルクルを演じた神木は、ヒロインのソフィーに心を開いていくさまも実にキュートで、観客に「もっと見ていたい」と思わせるキャラクターを生み出した。その後、ジブリ作品では『借りぐらしのアリエッティ』(2010)にも出演。アリエッティと交流を持つ病気がちな少年・翔役に抜てきされ、神木は、彼の“孤独”と“穏やかな優しさ”を表現。アリエッティと対面し「きれいだね」という翔の一言には、彼の真っ白な心が見事に映し出されていた。そして、同作の米林宏昌監督がスタジオジブリ退社後に手がけた『メアリと魔女の花』(2017)では、カラッと笑う元気な少年・ピーターにふんした。神木は、メアリをからかう少年っぽさ、その裏に秘めていた「変わりたい」と願う強さなど、ピーターの内面までを演じ切った。

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「よろしくお願いしまぁぁぁすっ!」観客を一体化させる、声の力

『サマーウォーズ』
日本テレビ系「金曜ロードショー」にて16日21時より放送の映画『サマーウォーズ』より - (C) 2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS

 神木が思春期のみずみずしさを体現していた作品として思い出すのが、細田守監督による『サマーウォーズ』だ。天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の高校生・健二を演じた神木だが、憧れの先輩女子に振り回されてタジタジとなる健二の人の良さを見ているうちに、観客はどんどんストーリーに引き込まれていく。健二の持つ多面性や成長もうまく表現しており、気弱だった彼が、世界の危機に立ち向かい、覚悟と決意を示す瞬間は興奮すること請け合い。「よろしくお願いしまぁぁぁすっ!」と絶叫しながら暗号解読に挑むクライマックスの場面は、誰もが一緒になって応援したくなる名シーンだ。

 新海誠監督作『君の名は。』での、神木の声の演技も忘れ難い。田舎町に住む女子高生の三葉と、東京で暮らす高校生・瀧の体が入れ替わり、2人の恋と運命の歯車が動き出す青春ストーリーで、瀧役の神木は、三葉役の上白石萌音とともに、声での“入れ替わり演技”も披露。高度な演技力を見せ、第11回声優アワードでは主演男優賞を受賞した。後半、瀧が三葉の名前を叫びながら感情を爆発させるシーンは、圧巻。観ているこちらもググッと体温が上がるよう場面で、感動のラストまで観客を釘付けにした。

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本来のピュアさ、学び続ける謙虚さ…声優・神木隆之介が最強に愛される理由

 『サマーウォーズ』や『君の名は。』を観ていると、神木の声の演技には、観客を物語に巻き込み、一体化させるパワーや熱気があることを実感する。それは、キャラクターと演者がぴったりとハマっていなければ決して感じられない熱だ。

 『天気の子』公開時のインタビューでは、神木は「声の演技で大切にしているのは、音程と息遣い。息多めで始まるのか、息少なめで始まるのかなど、ものすごく繊細に取り組んでいます」(2019年8月8日掲載シネマトゥデイニュースより)と語っていた。観客を一体化させる“声の力”の秘密は、神木がキャラクターの個性と感情を表現するために、声のトーン、響きなど、細部まで突き詰めながら、ひたむきに役柄と対峙しているからに他ならない。

 同インタビューでは、新海監督の『秒速5センチメートル』(2007)の大ファンで、声の演技のお手本は「『秒速5センチメートル』の主人公・貴樹を演じた水橋研二さん」とも明かしていた。熱心に貴樹の息遣いを研究していることからもわかるように、以前よりアニメファンであることを公言している神木。“好きだからこそ妥協しない”という彼の姿勢は、制作陣にとっても頼もしいことだろう。神木が本来持っているピュアな魅力に、アニメへの愛、学び続ける謙虚さ、経験に裏付けられた技術力が加わるとなると、まさに最強。「神木隆之介が声優として出演している」と聞けば、それだけで「観てみたい」と思う人が多いのも納得だ。

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 その他にも『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』(2006)のピー助役、『ピアノの森』(2007)の雨宮修平役、『とある飛空士への追憶』(2011)の狩乃シャルル役、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のサプライズ登場など、多数出演。現在は主人公のワニを演じた『100日間生きたワニ』が公開中で、神木はその温かな声を劇場に響かせている。また『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』の舞台あいさつでは、剣心役の佐藤健が、クライマックスに出演を果たした宗次郎役の神木について、「宗次郎がしゃべった瞬間、空気が変わる。すばらしいなと思った」と絶賛していた。実写でも神木の“声の力”に注目してみると、さらに彼の表現の細やかさ、豊かさに驚かされるはずだ。(文:成田おり枝)

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