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池松壮亮「小さな映画にも光」ぴあフィルムフェスティバルの長い歴史に敬意

池松壮亮と最終審査員、そして受賞者たち
池松壮亮と最終審査員、そして受賞者たち

 24日、東京・中央区の国立映画アーカイブで開催されている「第43回ぴあフィルムフェスティバル2021」の授賞式が行われ、最終審査員を務めた俳優の池松壮亮が登壇。「この映画祭が小さな映画にも光をあてることで、僕たちもたくさんの映画や、映画人と出会うことができる。今日は素晴らしい映画人、クリエイターの方たちと歴史の一端を担うことができて光栄です」と語った。この日は、池松とともに審最終査員を務めた今泉力哉(映画監督)、柴崎友香(作家)、岨手由貴子(映画監督)、高田亮(脚本家)も壇上に上がった。

 ぴあフィルムフェスティバルは「新しい才能の発見と育成」「映画の新しい環境づくり」をテーマに毎年開催されている映画祭。自主映画の為のコンペティション「PFFアワード」と、国内外の貴重な作品を紹介する「招待作品部門」で展開される。今年は489本の応募から入選を果たした18作品が上映され、この日の表彰式で最終審査員よりグランプリほかの各賞が発表された。グランプリには賞金100万円が贈られる。

 最終審査員の一人である池松はグランプリ発表時に壇上に上がると「この映画祭の1977年からの取り組みに心から敬意を評しています」とあいさつ。「この映画祭が小さな映画にも光をあてることで、僕たちもたくさんの映画や、映画人と出会うことができる。今日は素晴らしい映画人、クリエイターの方たちと歴史の一端を担うことができて光栄です」と感慨深げにスピーチ。

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 グランプリは『ばちらぬん』の東盛あいか監督が受賞。ドキュメンタリーとフィクションを組み合わせ、与那国の持つ記憶や文化を個人の経験に重ねて撮られた作品となっている。池松は「人の映画を評価するのはおこがましいのですが、素晴らしい映画に出会えたと思います。作品の中で、生について言葉にならないことを映像の中で掴み取ろうとしていることに感銘を受けました」と作品の魅力をコメント。さらに「どの作品も素晴らしかったです。それぞれの映画のここまでの旅路を祝福します」と祝辞を送った。

 受賞を果たした東盛監督は『ばちらぬん』というタイトルについて「日本最西端の言葉で“忘れない”という意味。この映画のことをみんなに呼んでもらえるたびに嬉しく思います」と笑顔で紹介。続けて「本当は、島でのオールロケで(全編を)フィクションを撮る予定が、コロナで企画を変更せざるを得なくなりました」と撮影時の苦労を明かし、「どうしようかなというときにフィクションとドキュメンタリーを合わせる試みをしようと考えました。やっと完成してみなさんに見てもらえて嬉しく思います。(受賞を)一緒に『ばちらぬん』を作ってくれたみんなに早く伝えたいです」と喜びの声を語った。(取材・文:名鹿祥史)

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受賞作は下記の通り

◎グランプリ
『ばちらぬん』 監督:東盛あいか(23歳)

◎準グランプリ
『グッバイ!』 監督:中塚風花(20歳)

◎審査員特別賞
『Journey to the母性の目覚め』 監督:岡田詩歌(25歳)
『転回』 監督:岩崎敢志(24歳)※崎はたつさき
『豚とふたりのコインランドリー』 監督:蘇〓淳(26歳)※〓は金に玉

◎エンタテインメント賞(ホリプロ賞)
『愛ちゃん物語(ハート)』 監督:大野キャンディス真奈(22歳)

◎映画ファン賞(ぴあニスト賞)
『愛ちゃん物語(ハート)』 監督:大野キャンディス真奈(22歳)

◎観客賞
『距(へだ)ててて』 監督:加藤紗希(31歳)

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