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榎木淳弥、スパイダーマンと歩んだ5年間 キャリアに大きな影響「仕事の幅を広げてくれた」

MCU版スパイダーマンの吹き替えを務めてきた榎木淳弥
MCU版スパイダーマンの吹き替えを務めてきた榎木淳弥

 映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)でマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)入りを果たした、トム・ホランド演じるスパイダーマンことピーター・パーカー。そんなピーターの日本語吹き替え版声優を務めるのが榎木淳弥だ。最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で実写映画6作目となるピーターの吹き替えを担当した榎木が、スパイダーマンと歩んだ5年間を振り返った。

【動画】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』予告編

 『シビル・ウォー』にスパイダーマンが参戦して以来、ピーター・パーカーの吹き替えを務める榎木。「製作者のイメージにたまたま合致したんだと思うんですよね」とオーディションに参加した当時を振り返ると、「ピーターって少し浮ついているというか、軽い感じがあると思うのですが、僕も声が高い方ですし、そういう部分が合っていたのかなと思うんです。僕自身もオーディションを受けているとき、なんとなくしっくりくる感じはあったんです」と自身の起用理由を分析する。

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 そこから実写映画で6作に渡りピーターを演じてきたが、2019年公開の『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』で少し変化を感じたという。「ピーターが落ち着いた芝居をするとき、トム・ホランドさんの声が、少し低くなってきたような感じがしたんです。たぶん意識されているんだと思うのですが、僕自身も、少しトーンを落とすように心掛けていました」。

 一方で「ピーターって基本的に子供っぽかったり、軽い感じだったりが持ち味だと思うので、その部分は『ノー・ウェイ・ホーム』まで、意識して表現するようにしています」と時が経っても変わらない部分も大切に演じているという。

シリーズ完結編はマーベルファンの夢が全部詰まっているような映画

 最新作の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、一度観ただけでは消化しきれないほど、内容盛りだくさんだ。榎木も「『もうこれ以上、なにができるんだ』というぐらい色々なものが詰め込まれた作品で、声を入れていても製作側の本気度がすごく伝わってきました」と感想を述べると、「マーベルファンの夢が全部詰まっているような映画になっています」と期待をあおる。

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 ピーター自身も、過去の作品以上に感情が漏れ出るシーンが多い。榎木は「幼稚な部分と、そこからヒーローになっていく過程がダイナミックに描かれていて、演じていてもとても感慨深かったです」と語ると、「トム・ホランドさんが、敢えて感情を出さないようにしているシーンが見受けられたのですが、そこを吹き替えでどうするかは悩みました。しっかりと感情を乗せた方が伝わりやすいとは思いつつも、どこまで表現していいのか……」と難易度が高かったことを明かす。

 榎木は2022年公開の映画『アンチャーテッド』でもトムの吹き替えを務める。いまや“トム・ホランドの吹き替え=榎木”という認識が強いが、「僕自身、あまりそこは気にしていないんです。俳優さんの声を意識しているというよりは、演じるキャラクターをどう表現するかを大切にしています」と持論を展開する。

 また『スパイダーマン』シリーズで印象に残っていることを聞くと、「このシリーズは、基本的に息遣いもすべてこちらで声を当てるんです。『ファー・フロム・ホーム』などはかなり戦闘シーンが多かったので、吐息を含めて細かな息遣いをすべて合わせるのは、相当時間がかかるし、メチャクチャ大変でした。見ている方はそこまでわからないと思いますが、作り手のこだわりを感じましたね」と苦労話を語る。

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 現地時間12月17日にアメリカで公開された『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、オープニング興収2億6,013万8,569ドル(約299億円・1ドル115円計算)を記録し、『アベンジャーズ/エンドゲーム』に次いで歴代2位という驚くべきスタートダッシュを決めた。日本でも日に日に期待が高まっているが、榎木は「これまでMCUに触れてこなかった人でも、興味を持ってくれていることが伝わってきます。内容に触れられないことが多いので難しいですが、ネタバレを気にしつつ、SNSで爆発してくれたらいいですね」と期待を口にする。

 世界中で注目度が高い『スパイダーマン』シリーズ。榎木は「このシリーズへの参加をきっかけに、いろいろな作品に呼んでもらえることが増えました。その意味で、すごく自分の仕事の幅を広げてくれた作品であり、自分の役者人生に大きな影響を与えてくれた映画です」としみじみ語る。

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 そんな思い入れの強いシリーズで幕を開けた2022年。榎木は「もうちょっとしっかり芝居をしていきたい」と目標を掲げると、「声の芝居というのは、なにかに合わせるのが大前提になっていく仕事なのですが、本来芝居というのは自分で作り出していくものだと思うんです。だから2022年は役に合わせつつも、自分の表現をしっかり役に滲ませていきたいです」と誓いを立てていた。(取材・文・撮影:磯部正和)

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は全国公開中

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』予告3 1月7日(金)全国の映画館で公開!  #全ての運命が集結する ── » 動画の詳細
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