佐藤隆太、岡田義徳、塚本高史、12年ぶりの「THE3名様」に感激！亡き志賀廣太郎さんへの思いも

　俳優の佐藤隆太、岡田義徳、塚本高史が8日、新宿バルト9で行われた映画『THE3名様　～リモートだけじゃ無理じゃね？～』の初日舞台あいさつに森谷雄監督とともに来場。およそ12年ぶりの「THE3名様」新作に喜びを語りつつ、過去作で人気を博した亡き志賀廣太郎さんをしのぶひと幕もあった。

佐藤隆太、岡田義徳、塚本高史が集結！舞台あいさつの様子【写真】

　石原まこちんの同名ギャグ漫画を実写化した人気シリーズ「THE3名様」は、ジャンボ（佐藤）、まっつん（岡田）、ミッキー（塚本）らフリーター3人組が、深夜のファミレスで意味のない会話を繰り広げるだけの脱力系コメディー。そのゆるい内容で熱狂的なファンを中心に支持を集め、2005年から2010年までの5年間で、全11タイトルのDVDが発売される人気シリーズとなった。12年ぶりの新作となる本作では、アラフォーとなった彼らが以前と変わらず深夜のファミレスでダラダラとするさまを描き出す。

　この日、映画上映後、大勢の観客で埋まった会場に3人が登場すると、会場からは万雷の拍手が。その様子に「（拍手が）鳴りやまない！」と驚いた様子の佐藤は、背中に広がる巨大スクリーンを振り返りながら「これで観る作品じゃないでしょ！」と笑顔を見せつつも、「始めてから15年以上たって。こんな日が迎えられるなんて思っていなかったので、本当にうれしいです」としみじみ。さらに「12年たって、われわれが再集結して作ったものですが、楽しめましたか？」と尋ねると、会場から大きな拍手。その様子に3人も満足げな様子だった。

　さらに塚本が「この3人が集まると『木更津キャッツアイ』と言われるんですけどね」と続けると、佐藤が「昨日、（櫻井）翔から連絡があったんですよ。街で（ファンから）『THE3名様』好きですかと聞かれたんで、『好きです』と答えたら、『明日、舞台あいさつに行くんです』と言われて。『いいな』と返したらしいんですよ。それは櫻井の優しさだけどね」と明かすひと幕もあった。

　本作が12年ぶりの新作ということで「俺たちももう40ですから」と笑う塚本だったが、佐藤も「12年ぶりにジャンボをやることになったわけですが、二人が全然変わらない空気を作ってくれた。だからいい意味で変わらないなと思いました」としみじみ。岡田も「隆ちゃんが言いたいことを言ってくれた。変わったのは老眼になったこと。近くが見えないのよ」と笑いながら付け加えるなど、切々と「THE3名様」愛を語る3人。佐藤が「僕たちもできることなら、この先も続けていきたい」と語り、登壇者たちもその言葉にうなづいていた。

　本作のクランクアップの際に、森谷監督は本作をカンヌ国際映画祭に出品すると宣言。有言実行でカンヌ国際映画祭にエントリーしたことを聞いた塚本は「バカじゃないの。おかしい」と笑う。佐藤も「絶対に落ちますよ。パルムドールなんてまずないですから」と疑いのまなざしを向けつつも、「まあ、何が起こるか分からないですから。結果はちゃんと伝えます」とファンに向けて約束した。

　脱力系で変わらぬやりとりが繰り広げられる本作だが、いち早く本編を観た観客からは「まさか『THE3名様』で泣けるとは」という感想が寄せられているという。森谷監督が「12年ぶりにやるなら、（故・志賀廣太郎さんが演じた）パフェおやじの回はやらないとやる意味がないよと3人が言いましたね」と語ると、佐藤も「それは最初に集まった時から、やるなら絶対にこれをやりたいですと。それがちゃんと皆さんに伝わったのであれば、いいなと思うんですよね」とコメント。

　そのシーンを振り返り、「すごくいい空気で、撮っていた時にスタッフが『パフェおやじがいるね』と言っていたんです」と語る森谷監督に、佐藤も「当時から僕たち3人はいつも言ってたんですけど、志賀さんが現場に入られて。あんなにすばらしいベテランに毎回ムチャぶりをして。それでも嫌な顔ひとつせず。やはり僕らの中でもパフェおやじの存在は大きくて。僕らもそこにリスペクトと感謝の思いをのせて作りたかった」と口にする。

　森谷監督も「（ウェイトレス役の）安藤玉恵さんも、あの話をやるなら私も参加したいとおっしゃって、お忙しいなか、弾丸で来てくれた。僕は安玉ちゃん（安藤玉恵）にも絶対に泣かないでと言ったんですけど、みんな泣きそうになって。そういうギリギリのところを切り取った回でしたね」と述懐。佐藤らも思わず涙を浮かべていた。（取材・文：壬生智裕）

映画『THE3名様　～リモートだけじゃ無理じゃね？～』は1週間限定で劇場公開中