『仮面ライダーガヴ』知念英和×日野友輔、共に戦ったショウマ&絆斗へ「幸せになってほしい」
今年8月に最終話を迎えた特撮ドラマ「仮面ライダーガヴ」のその後を描くVシネクスト『仮面ライダーガヴ ギルティ・パルフェ』。テレビシリーズから1年以上にわたり主人公・ショウマを演じてきた知念英和と、辛木田絆斗役を務めた日野友輔がインタビューに応じ、集大成となるVシネクストの見どころや、10年後の未来について語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
【インタビュー動画】知念英和&日野友輔「仮面ライダーガヴ」10周年を大胆予想!
『仮面ライダーガヴ ギルティ・パルフェ』の舞台は、ショウマ(知念)たちの戦いによって、闇菓子が消えてからしばらく経った世界。人間とグラニュートとの共存が進む中、ある日、傷ついた少女たちと狩藤医院を訪れた絆斗(日野)は、彼女たちのグループにグラニュートのリゼル・ジャルダック(鎌田英怜奈)と闇菓子を流通させようとしている若い男性がいることを知る。複雑な心境を抱く絆斗だが、彼の身体はかつての改造手術によりむしばまれていた。
全てをぶつけたテレビシリーズ最終話

Q:テレビシリーズを完走した現在の心境を教えてください。
知念英和(以降、知念):“ガヴロス”がすごくあります。寂しい気持ちと共に、改めて「仮面ライダーガヴ」が本当にたくさんの人に愛されて、いい作品になったと実感しています。
日野友輔(以降、日野):仮面ライダーとしても「仮面ライダーゼッツ」(現在放送中)にバトンを渡したので、演者としても次に進まなければいけません。それでも、「終わってしまったな……」と思いたくなる自分がいます。それは悪いことではありませんし、皆さんの中にも、少なからず同じような気持ちになっている方がいるのかなと思います。心の底からこんなにも「仮面ライダーガヴ」で良かったと思えるような作品に、今後出会えるのかなって思ってしまうぐらい、本当に運命的な出会いがたくさんありました。これだけたくさんの方から愛情をいただいたからこそ、そういった作品をこれからも皆さんに届けるべく、僕たちも頑張ります。
Q:最終話で描かれたショウマvsランゴ(塚本高史)戦、絆斗vsジープ(古賀瑠)&リゼル(鎌田)戦の撮影で印象に残っていることは?
知念:1年間、塚本さんの背中を見て、その姿を目標として走ってきました。最終決戦で塚本さんと一対一でお芝居した時は、第36話「逆転!覚醒!マスターガヴ」(※ショウマとランゴの直接対決が描かれた)の時とはまた違った思いがありましたし、最後に全てぶつけようと、ランゴに怯まず、演じようと思いながら挑みました。クランクアップまでのカウントダウンが進むにつれて、ショウマとして塚本さんともう芝居ができないのかと感じましたし、塚本さんがクランクアップした時は、ストマック家が全員いなくなってしまったと寂しい気持ちになりました。塚本さんとご一緒することができて本当に光栄でした。
日野:盛りだくさんだった最終話の中で、辛木田がジープとリゼルの二人を相手にしてどうなるんだと思ったのですが、まさかの「戦わなくていいんじゃないか?」で……。台本をいただいた時から、絆斗らしいと思うと同時に、これを言えるようになった絆斗は、本当に成長したんだと改めて感じた瞬間でした。絆斗としてすごくナチュラルにセリフが言えましたし、彼と一緒に自分が成長できた手応えもありました。
仮面ライダーのスーツを初めて装着した瞬間
Q:最終話の後日譚となるVシネクストの台本を読んだ時の感想は?
日野:ようやく絆斗が主役ポジションになるんだ! と思いましたし、身体に埋め込まれたグラニュート器官について深掘りしてくれるんだという楽しみがありました。グラニュート器官は、絆斗を語る上では外せないポイントで、ファンのみなさんが一番心配している部分でもあったと思うんです。そこを膨らませつつ、ストマック社を倒した後の人間界で、また違った幸せの作り方や守り方がリアルに伝わればいいなと思います。Vシネクストでは、よりリアルな人間社会の中での物語になっているので、皆さんがグッとくるポイントも多くなっています。
知念:ヒーローとしての絆斗だけでなく、人間社会を生きる一人の大人としての絆斗の葛藤も、Vシネクストでは描かれています。誰かがどこかでヒーローとして戦っていることをより身近に感じられる作品です。
日野:また、今回初めて仮面ライダーヴァレンのスーツを身にまとった状態での撮影シーンがありました。もう、すごかったです……! マスクをしてのアクションもワンカットだけありまして、スーツアクターさんの凄さをひしひしと感じました。俳優としてだけでなく、子供の頃仮面ライダーに憧れた少年として、すごく貴重な経験をさせていただきました。
Q:知念さんから見た絆斗が成長した部分、逆に日野さんから見た主人公・ショウマが成長した部分はどんなところだと思いますか?
知念:絆斗は感情が昂った時、最初のうちは冷静になれない部分が見られたのですが、話数を重ねていくごとにいろいろな経験をして、自分の行動を俯瞰で見られるようになったと思います。ショウマやラキアなど周りのキャラクターに気づかされて、「自分が悪いことしたな」とすぐに切り替えられるようになりましたし、ショウマを演じる僕自身も難しいなと思う部分ができるようになった絆斗はすごく頼もしいし、心強い。最高の仲間だと思っています。
日野:ショウマは最初から一番大人で、ヒーローとして完成していると思っています。お母さんを目の前でヒトプレスにされて、それでもなお、お母さんが大好きだったお菓子のある人間界を守ろうと、兄弟たちを倒す選択をする。絆斗やラキアも過酷で孤独な過去を持っているのですが、劇場版を含めて一番しんどい選択をし続けていたのはショウマだったんです。思い返すと第1話からそうでした。
僕はショウマが強い子だと同時に、「この情報は言わない方が今はいい」と判断するのが上手なキャラクターだと思います。ただ可愛くて天然なだけじゃない。適応能力の描写が、回を増すごとに印象的でした。自分も幸せにならなきゃいけない、彼を支える仲間が周りにいるとわかったショウマは最強だと、最終話になって改めて思いましたし、そこがランゴに勝てた理由なのかなといち視聴者として感じました。
10年後のショウマ&絆斗はどうなる?
Q:1年間演じてきたショウマと絆斗に、何か言葉をかけてあげるとしたら?
知念:僕からショウマにかけてあげるとしたら、「そのままでいてほしい」です。生きている中で、あそこまで人の幸せを願えるキャラクターはあまりいません。純粋で真っ直ぐなところが、不器用でも周りのキャラクターに伝わったりする部分が一番大好きなので、これからもピュアに人の幸せを願い続けてほしい。そしてその周りの人たちを信じて、自分も幸せになってほしいなって思います。
日野:絆斗には「よく頑張ってるよ」と言ってあげたいです。どこまでも不憫ですが、根は本当にイイ奴で、自分を犠牲にしてでも大事な人のために身体を張れる男らしさは、とても尊敬しています。しんどかったことをいくつも乗り越えられたのは、絆斗の人間性があったからこそですし、逆に今は自分を大事にして、そして出会えた周りの仲間を大事にして、頑張り過ぎないでほしい。みんなのことをもっと頼ってもいいんじゃない? って。そして、ずっと幸せでいてほしいです。
Q:10年後、「仮面ライダーガヴ」が再始動したらどんな内容になると思いますか?
知念:同窓会みたいな感じなのかな?
日野:絆斗は“家族”に恵まれなかった運命にいたから、絆斗に子供がいたら泣いちゃうかも。ほっこりファミリームービーみたいな内容で、カメラを構えている絆斗が登場して、「10年後も取材しているのかな?」と思ったら子供の運動会だったっていう展開はやりたいです。もちろん、手術も気絶もなしで!(笑)
知念:各キャラクターの10年後は、確かに気になります。ショウマはグラニュートの血を引いているので、人間の加齢とは違う変化をたどる可能性だってあります。そこのギャップもまた面白いと思います。10年後も「仮面ライダーガヴ」を応援してくださっている方がいたら、もしかしたら実現するかもしれません。また大きくなって、みんなで帰ってくることができたら嬉しいです。
Vシネクスト『仮面ライダーガヴ ギルティ・パルフェ』は11月28日(金)より新宿バルト9ほかにて全国期間限定上映、Blu-ray&DVDは2026年6月10日(水)発売


