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上白石萌音「カッコよくタバコを吸える女優に」東宝の大先輩・司葉子の所作に惚れ惚れ

上白石萌音と司葉子
上白石萌音と司葉子

 上白石萌音が9日、京橋の国立映画アーカイブで開催中の特集上映「東宝の90年 モダンと革新の映画史(1)」内のプログラムとなる映画『その場所に女ありて』上映前トークに出席。同じ事務所の大先輩である司葉子から「長く女優を続ける秘訣」について「外に出るときはいつも一張羅を着ていなさい。撮影所はボロでいいから」とアドバイスを受け、感激する一幕があった。

トークイベントの様子【写真】

 1932年、阪神急行電鉄社長の小林一三が株式会社東京宝塚劇場を創立してから、今年で東宝が90周年を迎えることを記念して行われている本企画。現在開催中のパート1では、1935年の『弱虫珍選組』から2016年の『君の名は。』まで、提携・配給作品を含め、さまざまなジャンル・監督・スターの東宝作品34本(31プログラム)が上映される。

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 この日は、鈴木英夫監督が高度成長期の広告業界を舞台に、当時は珍しかったキャリアウーマンを主人公で描き出した映画『その場所に女ありて』を上映。同作では主人公を豊田四郎成瀬巳喜男小津安二郎黒澤明市川崑といった日本映画黄金期の名だたる巨匠監督たちの作品に出演してきた司が演じている。

 この日、初対面だという上白石の名前を聞いて「本名ですか? すごいですね」と感心した様子を見せた司。それに対して上白石は「本日は貴重な機会をいただけて大変光栄に思っております。短い時間ですが、たくさん勉強させていただきます」と襟を正してみせた。

 モダンでクール、シャープな作風が特徴の鈴木監督作品を鑑賞したという上白石は「今観ても新しいところがありますよね。司さんは麻雀をされていても、タバコを吸われていても、本当に品にあふれていて。惚れ惚れしました。私もカッコよくタバコを吸える女優になりたいなと思いました」とあこがれの表情。司も「それまで少女っぽい役が多かったので、この作品が来た時は、大人のシャシン(映画)だなと思いました。大人の女性を演じるのは初めてで。普段はタバコを吸わないので、練習をしましたけど、映っているのを見たらすごく上手でしたね」と笑ってみせた。

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 上白石自身も「7代目東宝シンデレラオーディション」で審査員特別賞に輝き、東宝芸能に所属することとなった。その時のことを「12歳で選ばれたんですが、そこから人生が変わったなと感じました」と振り返る。「そこから東宝に入り、現場に入るまで、本当に根気強くお芝居や歌のけいこをつけてくれて。じっくりと育ててくださった。とても丁寧に、じっくりコトコト煮込むような会社だなと思いました。あの頃の学びをいまだに思い出します」と懐かしそうな顔でコメント。

 そんな上白石に向けて「女優として長く続ける秘訣」について質問された司。「当時は真綿に包むように大事に育てられました。私が思い出すのは、撮影中の合間にスタッフの皆さんがいろいろなことを教えてくれたこと。そこで『葉子ちゃんね。とにかく外に出るときはいつも一張羅を着ていなさい。撮影所ではボロでいいから』と言われて。それはもうずっと心得ております」と語る。

 その言葉に感激した様子の上白石は「すぐにお洋服を買います。今日、買います!」と返答。その様子を笑顔で見ていた司は「その作品のヒロインになると、撮影所をあげて、ほかの作品のスタッフもみんな一生懸命育てようということがありました。萌音さんは、これから皆さんが育てようという女優さんですから。きっと大事にしてもらえると思いますよ」と笑顔で呼びかけた。(取材・文:壬生智裕)

特集上映「東宝の90年 モダンと革新の映画史(1)」は国立映画アーカイブで開催中

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