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「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」リアルなセットに驚愕 キャストが語る撮影の裏側

ロイド・オーウェン演じるエレンディル
ロイド・オーウェン演じるエレンディル - (c)Amazon Studios

 J・R・R・トールキンの小説「指輪物語」とその追補編をベースとした Prime Video の新シリーズ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」がいよいよ配信開始。本作で重要な役どころを務めたロイド・オーウェン、そしてレオン・ワダムが、本作にかける思いや撮影裏話を語った。

「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」予告編

 本作の舞台は「ホビットの冒険」や「指輪物語」の前の“中つ国”第二紀。エルフやドワーフ、ホビットの祖先的種族ハーフット、人間たちが登場し、ガラドリエルやエルロンドなど、映画でもおなじみだったキャラクターと、ショーランナーのJ・D・ペインパトリック・マッケイが新たに生み出したキャラクターが混在。エルフの王国リンドンやドワーフの王国カザド=ドゥム、人間の王国ヌーメノール(旧表記:ヌメノール)などでドラマが繰り広げられ、ペインが、「トールキンのアトランティス」であるヌーメノールの盛衰は、本作の大きな見どころの一つと語っていた。

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 ロイドが演じる船長エレンディルは、ヴィゴ・モーテンセンが映画で演じた、アラゴルンの祖先にあたるヒーロー的な役どころ。ロイドは「オーディションテープを用意してから、役をもらうまでに18か月かかった。多分この役だろうとは思っていたけど、実際に撮影をするニュージーランドに行って、(コロナ禍のため)隔離先のホテルで、ショーランナーたちとZoomで話して、初めてエレンディルを演じることを確認できたんだよ」と徹底した秘密主義が敷かれていたことを明かす。

 「妻を亡くしたばかりのエレンディルには、息子のイシルドゥル(旧表記:イシルドゥア)とアナーリオン、娘のエアリエンがいる。当時のヌーメノールは、エルフに忠実な人々と、『キングズメン』と呼ばれる国家主義的な人々との間で内戦が勃発しそうな状態になっていて、彼はその間で板挟みになる。(最終的に)彼はエルフと最後の同盟を結び、自分を犠牲にして冥王サウロンを殺そうとするんだ」。

 ちなみに、映画『ロード・オブ・ザ・リング』の冒頭でサウロンの指を切り取ったのが、エレンディルの息子イシルドゥルで、建築家のエアリエンは、新たに創作されたキャラクター。自身もトールキンファンだったというロイドは、役づくりのために何度も何度も小説に戻り、また脚本に戻ったという。「トールキン作品の全体的なテーマは、人間の堕落にあると思う。指輪に代表される権力との関係があって、権力は人を腐敗させる。虚栄心や権力に関して人間は過ちを犯しやすいことが描かれているんだ。ヌーメノール人たちは、エルフの不死性に対して羨望と嫉妬の念を持っている。死ぬことは神からの贈り物だとみなされてきたけど、彼らは非常に多くのものを創り出して文明の絶頂期にいるから、不死性がほしい。自分たちはとてもパワフルで、エルフよりも偉大だと感じているんだよ」。

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 朝4時半に迎えが来て、夜の8時まで撮影という過酷スケジュールのなか、かなりのスタミナが必要とされたというロイドだが、毎日がエキサイティングだったと顔をほころばせた。「スタッフたちの技術の高さや、プロジェクトに対する献身ぶりが素晴らしくて、たくさんエネルギーをもらえたよ」

映画と変わらない美しい美術も見どころ(c)Amazon Studios

 一方のレオンが演じたのは、ヌーメノールの摂政女王ミーリエルの相談役ファラゾーンの息子ケメンで、新たに作られた役。レオンは「ヌーメノールは、人間たちが、モルゴスとの戦いの時にエルフ側についたために、エルフによって贈られた島で、そこに住む人々はかなり長い寿命を持っている。(劇中では)エルフのルーツを大切にしようとする人々と、エルフから独立して、自分たち独自の道を切り開こうとする人々が分裂していて、ケメンは後者だ。彼には、父親の跡を継ごうという野心がある。とても若く青臭くて、父親の仕事の現実をわかっていない。黄金時代に生まれたから、楽な生活しか知らないんだ。でも、ヌーメノールや中つ国で勃発する不穏な出来事が、居心地の良い場所から彼を追い出し、何のために戦うのかを考えさせることになる」と説明する。

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レオン・ワダム演じるケメン(c)Amazon Studios

 ここ十年間オークランドに住み、今作の撮影スタジオでもよく仕事をしていたというレオンだが、初めてヌーメノールのセットを見た時は、非常に驚かされたという。「スタジオのバックロットに、巨大な古代都市を建てたんだ。エルフの影響を強く感じる一角があったり、キングズメンが独自の歴史を作ろうとして新しく建てた場所もある。彼らが歴史を作り込んでいく様子を見て本当にびっくりした。裏通りでお香をたいているし、市場では本物の魚を料理しているし、波止場を出入りするボートまである。本当に没入体験ができたよ。現実に身を委ねて、あまり想像力を働かせる必要はない。まさにヌーメノールにいるようなんだ。素晴らしかったね」

 また、彼の母親は熱烈なトールキンファンで、彼に原作を紹介したのも母親だったという。「母は、ウェブサイトやInstagramなんかでうわさを追っていて、『こんなことを聞いたわ』なんて、僕から情報を聞き出そうとしていた。応援してくれるのはありがたいけど、僕は何も話さないよ」と笑顔で振り返った。

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 ペインとマッケイが、トールキンの世界に即して作った新しいキャラクターが、どのように織り込まれていくのかも注目される本作。J・A・バヨナが監督した最初の2話だけでも、多くのロケーションや種族が登場し、多くのストーリーが交錯し、見どころが満載。大スクリーンで観る機会に恵まれ、壮大で美しく、豊かな世界観に圧倒された。すでに多くの謎が提示されており、今後の展開も楽しみだ。本作はすでに第5シーズンまで製作される予定で、第2シーズンの撮影は10月からイギリスで始まるという。(吉川優子 / Yuko Yoshikawa)

「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」 Prime Video で独占配信中

『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』予告編5 | Amazonプライムビデオ » 動画の詳細
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