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各国の映画祭で受賞!『やまぶき』監督&キャスト、カンヌでの興奮振り返る

山崎樹一郎監督、カン・ユンス、祷キララ、川瀬陽太、和田光沙、黒住尚生
山崎樹一郎監督、カン・ユンス、祷キララ、川瀬陽太、和田光沙、黒住尚生

 映画『やまぶき』(公開中)の舞台あいさつが5日に都内で行われ、主演のカン・ユンス、共演の祷キララ川瀬陽太和田光沙黒住尚生山崎樹一郎監督が登壇。カンヌ国際映画祭のACID部門に日本映画として初めて出品されたほか、各国の映画祭でグランプリをはじめ数々の賞を受賞している本作。一同が、カンヌでの印象的なエピソードや撮影時の様子などを語った(山崎樹一郎の「崎」は「たつさき」が正式表記)。

【写真】イベントの様子

 フランスとの国際共同製作によって完成された本作は、岡山で農業に携わりながら映画制作を続ける山崎監督の長編第3作。地方に生きる人々の慎ましい抵抗を国際的な視座で描く。かつて韓国の乗馬競技のホープだった騎手・チャンス(カン)は、父親の会社の負債を背負い、岡山県真庭市に流れ着き、今はベトナム人労働者とともに採石場で働いている。一方、刑事の父と暮らす女子高生・山吹(祷)は、交差点でサイレントスタンディングを始める。そんな二人と周囲の人々の運命が、本人たちの知らぬ間に交錯していく。

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 ようやく初日を迎え、山崎監督は「満員初日。日本で初めての公開に来ていただき有り難うございます」と観客に感謝。「撮影は2019年にしましたが、(コロナ禍のため)ずっと編集をやっていて、ようやく今日、初公開でとってもうれしいです。これから全国に広がっていくだろう映画の初日に立ち会えてうれしいです」と重ねて喜びを口にした。

 撮影を振り返り、カンは「真庭の山奥で、すごい人数で合宿しながら過ごした日々は非現実的というか、その風景自体が面白かったし、チャンスは悲劇(の道を)を行っているのに(撮影)現場は楽しくて、ギャップがすごいなと思いました」とにっこり。

 また、カンヌ国際映画祭での様子も紹介。本作は、インディペンデント映画普及協会(ACID)が作品選定・運営を行うACID部門に選出されており、山崎監督は「オフィシャルのキラキラ、ギラギラ、ジャラジャラした部門ではなく、インディペンデントの配給を支援しようと、作家が立ち上げた部門に選ばれて行ってきました」と説明。完成版を観ていなかったというカンは「カンヌで『やまぶき』を観れると純粋に観客になった気持ちで行ったんですけど、着いたら圧倒的な規模でビックリして、こんなにたくさんの人の中で、わたしたちが山奥で合宿しながら作った映画が上映されると実感できました」と吐露。そして、「映画がこうやって世界を旅しているんだ……と、うれしいという言葉だけでは足りない、何か熱いものを心の中に感じました」と、しみじみ語った。

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 山吹の恋人を演じる黒住は「ACID部門の事務所はこじんまりしていて、チームの人たちの人柄が良く、こういう小さな温かさは『やまぶき』の組に合っている」と感じる一方、「カンヌの街を歩いていると、メインコンペのセキュリティで銃を持って警備している人もいて、(これまでは)映画をひとくくりにしていたけど、芸術面と商業面がすごく入り乱れた映画祭だと思いました」と二面性を強く感じたことを打ち明ける。さらに、自分の周りの人たちが「カンヌ国際映画祭」を知っていても、「ACID部門」を知らないことから、「僕らがACID部門で日本映画で初めて選ばれて体感したものが、もっと日本に伝わったらなと思います」と期待を寄せた。(錦怜那)

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