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アン・ハサウェイ×トーマシン・マッケンジー共演 驚愕展開の待つスリラーが高評価

後半に待つという衝撃展開にも期待の『アイリーン(原題)』
後半に待つという衝撃展開にも期待の『アイリーン(原題)』 - Courtesy of Sundance Institute

 先日開催されたサンダンス映画祭のプレミア部門で、アン・ハサウェイと『ラストナイト・イン・ソーホー』『ジョジョ・ラビット』などのトーマシン・マッケンジーが共演したスリラー『アイリーン(原題)/Eileen』が上映され、高い評価を受けた。監督はフローレンス・ピュー主演作『レディ・マクベス』を手がけたウィリアム・オルドロイド。作家オテッサ・モシュフェグによる同名小説の映画化作品で、モシュフェグは夫のルーク・グーベルと脚本も担当した。

【画像】「かわいすぎる」と話題になったカンヌでのアン

 舞台は1964年のボストンの郊外。刑務所で事務の仕事をしているアイリーン(マッケンジー)は、母が亡くなった後、酒に溺れた元警官の父親の面倒を見ながら、いつも暴言を浴びせられている。そんなある日、ハーバード大学出身の心理学者レベッカ(ハサウェイ)が刑務所に赴任してくる。美しいブロンドの洗練された女性で、自信に満ちあふれたレベッカに、アイリーンはすぐに惹かれる。

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 ある日、思いがけずレベッカに飲みに誘われたアイリーンは、2人で楽しい時をすごすことに。それまで地味だったアイリーンは、レベッカの影響で、母親の毛皮やドレスでおしゃれをするようになる。一方のレベッカは、父親を刺殺して刑務所に入りながら理由を話さない若者に興味を持ち、彼と彼の母親に話をさせて真相を探ろうとしていた。やがて、クリスマスにレベッカに招待されたアイリーンは、ワクワクしながら彼女の家に向かうのだが……。

 後半に驚きの展開が待っている本作だが、アイリーンとレベッカの関係が変化していくさまも興味深い。ハサウェイとマッケンジーも、その変化を絶妙の演技で見せる。ハサウェイの妖艶さは、フィルム・ノワールにおけるファム・ファタール(運命の女性)のようで、とても魅力的だ。

 上映後のQ&Aで、本作に出演した理由を聞かれたハサウェイは、「『レディ・マクベス』を観て、ぜひウィル(オルドロイド監督)と仕事をしたいと思ったの。素晴らしい作品だった。ウィルは、複雑な物語を、特に女性について複雑な物語を語ることができる、信頼できる映画監督だと感じた」と回答。「それは、私にとってとても大きな意味があった。なぜなら、私が女優を始めたとき、取材で最初に聞かれた質問のひとつが、『あなたはグッドガール? それともバッドガール?』というものだったのを思い出したから。当時、私は16歳だった。16歳の私は、その質問に対してこの映画で答えたかったと思う。脚本を読んだ時にはそういうことは考えていなかったけど、私には、まさにこの瞬間を待ち望んでいたところがあったと思う」

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プレミア上映後のQ&Aで思いを語るアン・ハサウェイ(C) 2023 Sundance Institute | photo by Stephen Speckman

 アイリーン役のマッケンジーはニュージーランド出身だが、本作のためにボストン訛りをマスターしなくてはならなかった。また、全編がアイリーンの視点で描かれる本作では、セリフがなく表情だけで感情を表現するシーンが多く、その時々における彼女の考えを明確にするため、かなりリハーサルを重ねたという。「ウィルとの仕事で、これまでに経験したことがなく、大好きだと感じた事のひとつは、全てのシーンで(セリフのない)サイレントのテイクを撮ったこと。相手役はセリフがあるけど、こちらは基本的に黙って反応するだけ。とても難しかったけれど、そのおかげでたくさんの事を理解できた」とマッケンジーは語る。
 
 2人の女性が惹かれ合う物語ということで、トッド・ヘインズ監督の『キャロル』と比較する声もある『アイリーン(原題)』だが、『キャロル』よりもダークで毒がある。日本の観客にどう受け取られるか楽しみな一本だ。(吉川優子/Yuko Yoshikawa)

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