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衝撃作『ロストケア』松山ケンイチ、柄本明らの熱演話題 介護の現実突きつける

映画『ロストケア』より42人を殺めた殺人犯を演じた松山ケンイチ
映画『ロストケア』より42人を殺めた殺人犯を演じた松山ケンイチ - (C) 2023「ロストケア」製作委員会

 高齢者、介護問題の現実を真っ向から描いた映画『ロストケア』(公開中)。葉真中顕の第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作に基づく本作で、介護士でありながら42人を殺めた殺人犯を演じた主演の松山ケンイチが話題を呼んでいる。

【写真】松山ケンイチ演じる“パーフェクト”な介護士

 物語は、早朝の民家で老人と訪問介護センターの所長(井上肇)の死体が発見されるところから始まる。捜査線上に浮かんだのは、センターで働く斯波宗典(松山ケンイチ)。しかし、彼は職員たちからの信頼も厚く、介護家族たちにも慕われる理想の介護士。一体、何が彼をそうさせたのか? 自分がしたことは「殺人」ではなく「救い」だという彼の主張を、検事・大友秀美(長澤まさみ)が法の下に崩そうとするが……。

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 予告編には斯波と大友検事の「大切な家族の絆をあなたが断ち切っていいわけがない」(大友)「絆? 何ですかそれ。それがどれだけ家族を苦しめているか」(斯波)、「あなたがやったことに正義などない」(大友)「あなたみたいに安全地帯からきれいごとを並べる人間が穴の底を這う人間を余計に苦しめるんです」(斯波)という、どこまでも噛み合わない会話が収められているが、映画ではそこから大友を揺るがす介護の厳しい現実が浮かび上がっていく。

 映画・ドラマ・アニメのレビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」では星4、Yahoo!映画デビューでは星4.2の高評価(いずれも5つ星中、3月27日時点)となっている。鑑賞した人々の感想では「重い」「考えさせられる」というワードが目立ち、「安全地帯が胸に刺さる」「現実を目の当たりにした気分」「考えるきっかけになる一本」「どの立場で観ても身につまされる」など、自分の身に置き換えて没入したという声が多く寄せられている。

 主演の松山は、先ごろ終了した1月期TBS金曜ドラマ「100万回 言えばよかった」では、愛する人を突然失った主人公(井上真央)と、その恋人で死んでもなお彼女を見守り続ける幽霊(佐藤健)をつなぐ熱血刑事を好演。二人に振り回されて右往左往する愛すべき刑事像が視聴者をほっこりさせていたが、『ロストケア』では若くして白髪で埋め尽くされた哀しい青年にふんし、「とにかく松山ケンイチが凄すぎる」「なぜか悪とは思えない、その境目がすごい」「淡々としながら心に訴えかける演技がすごい」「泣けた」と絶賛の嵐。本作は、前田哲監督と松山、そしてプロデューサーが長年温めてきた作品であり、脚本開発時から監督と松山は話し合いを重ね、脚本を完成させたという。

 松山のみならず劇中で松山と火花を散らした検事役の長澤はもちろん、パブリックイメージからは想像できない演技を見せたお笑い芸人のやす(ずん)やジャズシンガーの綾戸智恵、そして圧倒的な存在感で場をさらう柄本明など、主演から脇役まで反響を呼んでいる。(編集部・石井百合子)

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