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高山みなみ&林原めぐみ、言葉のいらない関係性『名探偵コナン 黒鉄の魚影』<インタビュー>

高山みなみ、林原めぐみ
高山みなみ、林原めぐみ

 劇場版『名探偵コナン』シリーズ最新作、劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)』。第26作となる本作では、江戸川コナンの宿敵である黒ずくめの組織が本格登場する。東京・八丈島近海に敷設された海洋施設「パシフィック・ブイ」を舞台に、灰原哀にかつてない危険が迫る。江戸川コナン役の高山みなみ、灰原哀役の林原めぐみが、対談し、お互いの絆や、本作のストーリーを知った際の衝撃を語った。

【画像】灰原哀の涙!『名探偵コナン 黒鉄の魚影』場面カット

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灰原哀と江戸川コナン - (C) 2023 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

Q:おふたりが、お互いにリスペクトしている部分を教えてください。

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高山みなみ(以下、高山):感性って教えられるものでも勉強できるものでもなく、人それぞれ自分の中で育っていくものですが、「この人の感性はスゴい!」といつもやられてしまいますね。

林原めぐみ(以下、林原):意外に思われるかもしれませんが、「名探偵コナン」のレギュラーって(高山)みなみちゃんだけなんです。27年以上番組をずっと背負ってきて、久しぶりに番組に登場する方(かた)が「前回どんなだったっけ…」となっていてもすぐフォローして……。江戸川コナンとしてこの世界の住人であり続けて、番組を唯一のレギュラーメンバーとして背負い続けて、かつそれがブレないところは本当に尊敬します。

高山:でも「名探偵コナン」のメンバー自体もスゴい人揃いだから。

林原:本当にそうだね。この前、収録が終わってみなみちゃんとスタジオから出てきたら、目の前に小山茉美さん(ベルモット役)、古谷徹さん(バーボン/安室透/降谷零役)、池田秀一さん(赤井秀一役)といった大好きな先輩たちがいらしたのですが……みんな役を纏(まと)っているんです。「お疲れ様~」って笑顔なのに、迫力が怖いくらいスゴくて、「二人でスタジオに戻っちゃおうか」って(笑)。そんなこと、そうそうない!

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高山:あのとき、すぐに前に出られなかったもんね(笑)。思わず新人のように「高山みなみです。よろしくお願いします!」って挨拶して笑われちゃいました(笑)。そんな気持ちになる現場は嬉しいし、楽しいですよ。

林原:私たちも纏(まと)っちゃてるしね。(笑)先ほどのお話の続きですが、テレビシリーズ・劇場版限らず、私は自分の中で腑に落ちないことがあるとまず(高山)みなみちゃんに相談しています。私は彼女を「フロア・ディレクター」と呼んでいるのですが(笑)、本編の中で、違和感を覚えたり、疑問があると、まずみなみちゃんに相談します。「これは私個人の感情か、暴走じゃないか?」のジャッジとして。そこで冷静な意見交換をして、その後、監督に相談します。私は24年灰原哀ちゃんを演じていますが、自分の中の哀ちゃんだけを大事にしてはいけないと考えています。監督や脚本家の方の考えを伺いながら自分の意見を提示するようにしていて、みなみちゃんは本当に心強い味方ですね。違和感をがあるポイントがとても近いんです。

高山:どっちかが「ん?」という顔をすると「あぁ、あそこね」とお互いわかるよね。

林原:そうそう。たとえば少年探偵団への関わり方や走り出すときの一声など、キャラの衝動と数%重ならないくらいの本当に微妙なズレをわかってくれる。

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高山:ちょっとした語尾とかね。あとは声のかけ方ってこれでいいのかな? というときなど、すぐ相談するようにしています。

林原:みなみちゃんは劇場版の仕事が終わった後もいろいろなコラボやタイアップの仕事があるのですが、今回は私も度々参加することになりました。中には、同時に同じセリフを言うものもありましたが、お互い示し合わせなくてもぴったり合ったときに、「すごいね、私たち」と自画自賛し合いました(笑)。「せーの」と言っても、ズレる時はズレますから。

高山:なんでこんなに合うんだろう? と分析したよね。お互いに呼吸が読めるタイプの人間であるということと、「名探偵コナン」の前から付き合いは長いし「大体こういう風にやりたいんだろうな」がお互いにわかっているからだと思います。

林原:「どういうアプローチをしようかな」と様子見する際の距離感も近いし、「ここは私が引くからみなみちゃん行ってちょうだい」を言わなくてもお互い通じる感じ。

高山:共演も多いので、デビューしてから全く会わない期間がなかったのも大きいよね。「コナン」の中でさえ5年ぶりに会う人もいますから。良いご縁で結ばれていると感じています。

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江戸川コナン - (C) 2023 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

Q:おふたりの絆を感じます。そんななか今回は「ここまで灰原がピンチに陥るのは初では!?」となる衝撃的なストーリーが展開します。物語の詳細を知った際や、収録において印象的なエピソードはございますか?

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林原:今回はすごくしんどかったですね。お芝居に関してという意味だけではなく、精神的に追い詰められている状況に対してです。劇場版は、キャラクターの一歩先を深掘りしているように感じるのですが、「これを自分が肉声にすることがひとつの正解になるんだな」という恐怖すらありましたよ。

高山:我々は文章で書かれているものを声にする立場です。文字だとその人の感性で読めるけど、声にして聞かせてしまうと正解を提示することになるから、ものすごく慎重になりますね。

林原:私たちの重ねてきた経験を通して、深いところから湧いてくる言葉だったら、どれも間違いじゃないし、そこに嘘はないんだけど……。

高山:でも、「それが正解になってしまうのが怖い」という気持ちはあるよね。とにかく一発勝負ですし、そこまでの流れの中で想いをしゃべるから必然ではあるけど「これでよかったのかな」という想いはついてまわる。

林原:しかもテスト(リハーサル)を行うごとにまた変わっていっちゃうから……。まさに生き物なんですよね。

高山:お互いの呼吸もあるしね。

Q:今回は特に?

高山:今回は江戸川コナン的に「余裕がない!」状態なので、劇場版コナンの絶対条件であるラブもコメ(コメディー)も感じることすらできず(笑)。とにかく灰原に集中していましたね。マイクがお隣だったので、横から流れて来るめぐちゃん=灰原の気をもれなく拾おうとしていました。

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林原:私は台本に最初に目を通したときに、とにかく涙が止まらなくて、どうしたらいいのかわからなくなってしまいました。灰原哀ちゃんが泣いているのか、宮野志保なのかシェリーなのかが自分でもわからなくて、とにかくまずは思い切り泣かせておこうと思いました。それを経て、本番では凛とした静かな気持ちでマイクの前に向かうことができました。そして気づいたのは、どうやら泣いていたのは林原めぐみだということ。24年間哀ちゃんを見つめてきて、「いつ死んでもいい」と覚悟していた彼女がこんなに愛されていることを知ったときにちょっと受け止めきれなくなってしまって。いまこうして話していても泣きそうなくらいです。

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灰原哀 - (C) 2023 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

Q:収録前におふたりで何か話されたりはしましたか?

林原:みなみちゃんは来るべき時が来るまで台本を神棚に置いて読まないスタンスらしいんですけど、私は居ても立っても居られず台本をもらってすぐ読んでしまい、すごく乱れた状態で彼女にLINEをしてしまいました。そうしたら「おう(まかせとけ)」的なコナンのスタンプが届いて。それを見たときに、急に「今、言われたくないんだけど」みたいに気持ちで、ざらっとしちゃって(笑)、哀ちゃんの「ムスッ」というスタンプを返して……。しばらくそんなことを続けているうちに「私何してるんだろ」ってすごくクールダウンできました(笑)。みなみちゃんのお陰ですね。とっても助かりました(笑)。

高山:しかもそれが午前中で、私はそのとき寝起き。「どうした!? なにがあった!?」と、コナン共々焦りました(笑)。

林原:すみません!(笑) 夜に読んだら帰ってこられなくなると思って、午前中に読んだんだけど結局涙が止まらなくなっちゃいました(笑)。

(取材・文:SYO)
映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)』は公開中

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