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『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』最速レビュー:ジョーカーを彷彿する悪役モモアの怪演が爆発

いよいよ明日公開!
いよいよ明日公開! - (C) Universal Studios. All Rights Reserved.

 映画『ワイルド・スピード』シリーズが、第10弾『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』で最終章に突入する。新旧キャラクター勢揃いの最新作は、過去最狂の悪役を迎え撃つファミリーの戦いを、限界突破のカーアクションとエモーショナルな人間ドラマでまとめ上げている。5月19日の日本公開を前に、本作を鑑賞した編集部スタッフがネタバレなしでレビューする。

【画像】敵か味方か…『ワイスピ』謎の美女・テス

 前作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』で宇宙へと進出した同シリーズ。スケール・アクション共に、これ以上のレベルに到達することは難しいのでは? と誰もが思っただろう。しかし、ジャスティン・リン監督からバトンを託されたルイ・ルテリエ監督は、そのハードルをいとも簡単に超えてきた。

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 本作で最も際立っているのが、悪役としてシリーズ初参加したジェイソン・モモアの存在感だ。彼が演じるダンテは、かつてファミリーが倒した麻薬王エルナン・レイエスの息子。復讐の鬼と化したダンテは、サイファー(シャーリーズ・セロン)、デッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)、ブリクストン(イドリス・エルバ)ら歴代ヴィランよりも狡猾で、ファミリーであれば女性や子供にも容赦しない。約10年ぶりに悪役を務めるモモアは、狂気に満ちたダンテをのびのびと演じており、『ワイスピ』版ジョーカーとも言うべきカリスマ性に満ちている。劇中では、意外な可愛らしさも垣間見えるなど、モモアの魅力がこれでもかと凝縮されている。

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 今作、『ファイヤーブースト』では、ダンテ以外の新キャラクターも魅力的だ。キャプテン・マーベル役で知られるブリー・ラーソンふんする謎の女性・テス、オスカー女優リタ・モレノが演じるドミニクの祖母、ドラマ版「ジャック・リーチャー」のアラン・リッチソンふんする秘密諜報組織の新リーダーが次々と登場し、物語を加速させる。

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 最終章の幕開けに合わせて、お馴染みの顔ぶれも戻ってくる。暗殺者デッカードは、東京で襲撃したハン(サン・カン)と因縁の再会を果たす。ファンが望んでいた世紀の瞬間は、息をすることを忘れるほどの緊張感が押し寄せる。さらに、サイファー、ジェイコブ(ジョン・シナ)といった過去の敵たちも、思わぬ一面を見せてくれる。

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 作品の肝となるアクションは、原点であるストリートレースに立ち帰りながらも、スケール&レベル共にさらに磨きがかかっている。永遠の都・ローマでは燃え盛る鉄球爆弾が街を転がり、別の国ではミサイルを搭載した改造車が爆走するなどあり得ないこと尽くし。『ワイスピ』だからこそ可能な唯一無二のカーアクションは、今回も観客を満足させることだろう。

 さらに、前作と同じくブライアン(ポール・ウォーカー)の存在を感じる演出も随所に散りばめられている。本作では、ポールの娘メドウ・ウォーカーもカメオ出演を果たしており、父の思いを受け継いだメドウの登場には、思わず目頭が熱くなるはずだ。

 最終章は当初二部作で完結すると言われていたが、主演のヴィン・ディーゼルは三部作へ拡大する可能性があることを、シネマトゥデイの単独インタビューで明かしている。来たるフィナーレに向けて驚きの展開も用意されており、2025年全米公開の第11弾『ファストX パート2(原題) / Fast X Part 2』が待ち遠しくなるはず。上映が終わるまで席を立たないことをおすすめしたい。(編集部・倉本拓弥)

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