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役所広司、福島第一原発描くドラマに躊躇もあった「志を持って作った」

カンヌから戻ったばかり役所広司
カンヌから戻ったばかり役所広司

 俳優の役所広司が30日、新宿ピカデリーで行われたNetflixシリーズ「THE DAYS」(全8話)のワールドプレミアに出席し、福島第一原発をテーマにした作品に参加することに「ドラマにしていいのか躊躇した」と胸の内を明かした。イベントには竹野内豊小日向文世小林薫遠藤憲一石田ゆり子増本淳プロデューサー、西浦正記監督、中田秀夫監督も登壇した。

竹野内豊ら登壇「THE DAYS」ワールドプレミアフォトギャラリー

 本作は、門田隆将のノンフィクション「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」を原案に、三つの異なる視点から事故を克明に捉えた重層的なドラマ。役所は、最前線で指揮をとった福島第一原発所長の吉田昌郎をモデルにした人物を演じている。

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 2018年に増本プロデューサーから、本作の企画を提案されたという役所。当初は「実際に起きた福島第一原発の話。事故で亡くなった遺族や、故郷に帰れなくなってしまった人たちがたくさんいるなか、ドラマにしていいのかと躊躇しました」と胸の内を明かす。

 葛藤があったなか役所は、増本プロデューサーの「あの日、福島第一原発で何が起こっていたのか、これから廃炉に向けて長い年月を費やすなか、伝えることはたくさんあると思う」という言葉に「参加しよう」と決意したことを明かす。

 役所と言えば、先日行われた第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で『パーフェクト・デイズ(原題) / Perfect Days』の演技が評価され、日本人としては2004年の『誰も知らない』の柳楽優弥以来、19年ぶり2人目の男優賞を受賞したばかり。

 司会者から「おめでとうございます」と声をかけられた役所は「昨日、帰ってきました。皆さんの応援はカンヌにも届いていました」と感謝を述べると「『THE DAYS』も『Perfect Days』も名前が似ていますが、この作品はみんなで力を合わせて、志を持って作った作品です」と力強くアピール。

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 内閣総理大臣役を務めた小日向も「おめでとうございます」と役所を祝福すると「役所さんがカンヌで男優賞を受賞したことで、たくさんの方がよりこの作品に興味を持っていただけると思います」と世界190の国と地域で配信される本作にとって、役所の男優賞受賞は大きな効果があることを強調していた。

 役所は「いま世界中がエネルギーについて考えなければいけない時期になってきます」と述べると「みんなで頑張って作品を作り上げました。ぜひ皆さんもこの作品を観て感じたことを発信してください」と熱い思いを語っていた。(磯部正和)

Netflixシリーズ「THE DAYS」は6月1日より世界独占配信

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