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『ジョン・ウィック』日本人スタントの活躍「知ってほしい」川本耕史&伊澤彩織、世界で学んだ日本の課題

日本から『ジョン・ウィック:コンセクエンス』に参加した川本耕史と伊澤彩織
日本から『ジョン・ウィック:コンセクエンス』に参加した川本耕史と伊澤彩織

 キアヌ・リーヴス主演の大ヒットアクション最新作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(全国公開中)の撮影に日本から参加したファイトコレオグラファーの川本耕史と、俳優でスタントパフォーマーの伊澤彩織が、世界で学んだ日本との違いや、日本におけるスタントパフォーマーの現状について語った。

宇宙最強ドニー・イェン!盲目の暗殺者役で圧巻の強さ『ジョン・ウィック:コンセクエンス』本編映像

 『ジョン・ウィック』は、キアヌ演じる裏社会最強の殺し屋、ジョン・ウィックの終わりなき戦いを描くバイオレンスアクション。シリーズ第4弾となる今回は、ドニー・イェン真田広之スコット・アドキンスマルコ・サロールなど、実績・実力共に申し分ないアクションスターが集結。世界各国から一流のアクションチームが集結し、2時間49分にわたり、文字通りのノンストップバトルが描かれる。

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 川本は、シリーズを生んだチャド・スタエルスキ監督が旧知の仲である『るろうに剣心』シリーズのアクション監督・谷垣健治に「刀や空手などのファイトを作れる人を知っていたら紹介してほしい」と相談し、谷垣が川本を紹介したことで本作に参加。『ジョン・ウィック』シリーズについて「一観客として観ていた作品に、まさか自分が関われるなんて思ってなかったです」と笑みを浮かべる。

 アクション演出、スタントとして数多くの撮影現場で活躍する川本にとって、2014年に公開された、1作目のインパクトは絶大だった。「『ジョン・ウィック』はアクションにおける銃撃戦の歴史を変えたと思います。それまで、離れた場所で撃っては隠れ……みたいな縛りがあったものが、互いに手が届く距離で、リアリティーのある本物の格闘として演出されていた。そんなことができるのかと驚きましたし、全世界のファイトコレオグラファーに刺激を与えたと思います」

川本、伊澤も参加した大阪・コンチネンタルホテルのバトルは必見(R), TM & (C) 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 そんな川本が「最も信頼するパフォーマーの1人」として参加を呼びかけた伊澤は、主演映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズを筆頭に、俳優としても活躍。『コンセクエンス』では、日本人の女性キャラクター・アキラの登場に伴い、配役候補としてカメラテストも受けていたという。川本は「伊澤さんの出演について僕は本気でしたが、それは実現せず、その後でリナ・サワヤマさんがアキラを演じることになり、伊澤さんと和田崎愛さんがアキラのスタントダブルをすることになりました」と明かす。

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 そんな伊澤にとって本作は、スタントパフォーマーとしても重要な一作になったと告白する。「今回の映画ではじめて、役名付きのスタントダブルとして自分の名前がクレジットに記載されたんです。日本だと、誰のスタントダブルをやったのか明記されず、発表できないことも多いんです。アクション部がいなかったかのような、存在を否定されているように感じる時もあるので」

もっとスタントの存在を知ってほしい

伊澤彩織「私たちもそこにいたと言ってほしいなって思います」

 映画やドラマにおいて、アクションを「役者本人が全て演じた」と宣伝されることも多い昨今。伊澤は「もちろん、役者さん本人がアクションをできる体制を作れるなら、その方がいいと思います」と役者がアクションに挑むことを歓迎しながら「ただ、リスクヘッジ(危険回避)であったり技術的な面でスタントを使うのであれば、エンドロールだけでもいいので(笑)、私たちもそこにいたと言ってほしいなって思います」と一言。川本も「言い方が難しいですが、やっていないことまでやったと宣伝されていることも非常に多くて、違う表現があったりしないかなと感じることはあります。もちろん、役者さん本人がトレーニングを積んでパフォーマンスを見せることは素晴らしいことですが、“全部のアクションを1人でやった”というふうにされたりすることが多くて、それは考えていただきたい」と語る。

 本作のメガホンを取ったスタエルスキ監督は、『マトリックス』でキアヌのスタントダブルを務めていた専門家であり、アクションチーム「87イレブン」の創設者。互いにアクションの専門家でもあり、川本は「チャドさんは、相手の引き出しを開けるのが非常にうまい方で、こちらの提案に対してすごくウエルカムな方でした。僕らが大変な部分もわかってくれているので、すごく一緒にやりやすかったです」と振り返る。

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特殊メイクでディーラーにして暗殺者のキーラを演じたスコット・アドキンス。劇中のアクションはキレッキレだ(R), TM & (C) 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 さらに、本物のアクションスターが集結した撮影現場は、2人にとっても心躍るものになったようだ。「真田さんに会えることなんて、人生で絶対にないと思っていたんです。しかもコレオグラファーとして手を付けることができるなんて。自分のヒーローに会えたというか、そんな気持ちでした」という川本。伊澤も「本当に、現実世界にこんなにスターが集合するなんて思わなかったです」と笑みを浮かべ「私はスコット・アドキンスさんに会えたのがすごく嬉しくて、自分の撮影が終わっているのに、ただ特殊メイク姿を見たいがためにアドキンスさんの出ているシーンを観に行っていました」と告白する。

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海外から学ぶべきこと

 海外のアクションチームとの仕事も刺激になった。「海外で生活しながら、アパートとスタジオを行き来する生活をしていたんですが、生活面において不自由のないように守ってくれるし、撮影の拘束時間は12時間まで、その後、12時間はスタジオに入ってはいけなかったりと、働く時間の管理も非常に厳しい。日本で導入するのは難しいかもしれませんが、少しずつでも良くなっていけばいいなと思います」という伊澤。さらに「日本人も、身体能力的には向こうで活躍できるくらい優れている人は多いと思いますが、コミュニケーションの部分で困ることがすごく多かった。もっとちゃんと英語を身につけないといけないと思いましたね」とこれからの課題を明かす。

 川本は「海外のパフォーマーは、個人でたくさんのスキルを学ぶ方が多い。興味を持ったことはすぐ習いに行ったりとすごく活発で、そこは本当に学ぶべきだなと思います。一方で日本人は、その道を極めるというか、得意分野に関して深く学んでいる点が違うかなと。そういう部分は海外でも勝負できると思いますし、今回もみんな本当に頑張ったので、目を向けていただけるとありがたい」と語る。

 「私や伊澤さんだけではなくて、今回関わったスタントメンバーの名前がどこかで紹介されるだけでも、本当に嬉しいなと思うんです。これからも『ジョン・ウィック』のような作品で、日本のスタントマンが海外の第一線で、バチバチに戦ってきたんだよっていうことが、当たり前に言われるようになったら嬉しいです」(編集部・入倉功一)

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