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趣里、憧れの“塚本映画”で朝ドラ「ブギウギ」とリンクする女役

「監督の祈りが一人でも多くの皆さんに届きますように」と語った趣里(中央)
「監督の祈りが一人でも多くの皆さんに届きますように」と語った趣里(中央)

 俳優の趣里が25日、都内で行われた映画『ほかげ』(公開中)の公開記念舞台あいさつに登壇。現在放送中のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」でヒロイン・花田鈴子/福来スズ子を好演している趣里は、朝ドラの撮影中に本映画の役柄がリンクしていたことを明かした。イベントには塚尾桜雅河野宏紀森山未來塚本晋也監督も出席した。

【写真】祈りを込めて…趣里&森山未來ら登場

 『野火』『斬、』などの塚本晋也が監督・脚本などを手掛け、戦争をテーマに描くヒューマンドラマ。体を売ることを斡旋され、戦争の絶望から抗うことができない女(趣里)。ある日、女が暮らす居酒屋に盗みに入った戦争孤児(塚尾)が入り浸るようになる。

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 第80回ベネチア国際映画祭でワールドプレミア上映され、NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞した本作。趣里は「ベネチア行きたかったです」と悔しがりながらも、「濃密な(撮影)時間だったので、こうして皆さんにまた会うことができてとってもうれしいのと、森山さんとは会っていなかったので久しぶりにお会いできて、映画が完成したんだなと実感しました」と充実した表情をのぞかせる。

 朝ドラヒロイン・鈴子/スズ子と本作の女が生きる時代は同じ。趣里は「一見すごく対照的に見えますが、戦争が残したことに苦しめられ、それでも生きていかなければいけないという一本の筋は一緒だなと演じながら思っていました」と打ち明ける。朝ドラの闇市のシーンでは「桜雅くん、いないかな……という気持ちになった」そうで、「スタッフさんからも『時代が一緒だね』と言われて、常に『ほかげ』と共に過ごしている感覚でした。いろんな人物が自分の中にいますね」と穏やかな笑顔を見せた。

 撮影は猛暑の中で行われ、趣里は「毎日アイスタイムがありました」と報告。塚本監督は撮影後にキャスト・スタッフで使用した砂を掃いたことがあったと明かしつつ、「森山さんの掃除の仕方がすご過ぎ。砂けむりを上げながら、すごい動きで押し寄せて来るんですね。終わった後に『今のはダンスですね』と言ったら、『そっかぁ、やっぱり何も考えないで無心でやるといいんだな』とおっしゃっていました。毎日が修行」とダンサーとしても活躍する森山の裏話を披露。その様子をiPhoneで撮影していたことから、塚本監督は「Blu-rayのおまけにつけさせていただきたい」と希望した。

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 最後に、趣里は「スタッフさん一人一人がものすごい力をくださってエネルギーになりました。そして、憧れの塚本映画に出演できて本当にうれしく思っています。監督の祈りが一人でも多くの皆さんに届きますように願っています」と呼びかけ。塚本監督は「巷では“新しい戦前”と言われているように不安な世の中になっていますが、何とか自分たちがそういう場に行かないで済むようにという祈りを込めて、体感で実感していただくような映画を作らなきゃと思いました」と本作に込めた熱情を明かし、「俳優さんたちが全身で祈りを表現してくれたのが見どころです」とアピールした。(錦怜那)

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