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「光る君へ」毎熊克哉、直秀役の反響に驚き 「好き問題が一番難しかった」

第8回「招かれざる者」より毎熊克哉演じる直秀
第8回「招かれざる者」より毎熊克哉演じる直秀 - (C)NHK

 吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で、オリジナルキャラクターの直秀を演じる毎熊克哉。直秀は、昼は散楽の一員、夜は貧しき人のために働く義賊という二つの顔を持つ人物として描かれる一方、まひろと藤原道長(柄本佑)のキューピッド的な役割も担った。謎多き男気あるキャラクターが人気を博しているが、この反響について毎熊本人は「朝の情報番組でセリフを言うほどの反響になるとは思いもしなかった」と驚いている。

【画像】直秀がF4の仲間入り!第8回場面写真

 平安時代に1,000年の時を超えるベストセラーとなった「源氏物語」を生み出した紫式部(まひろ)の生涯を、社会現象となった恋愛ドラマ「セカンドバージン」(2011)や大河ドラマ「功名が辻」(2006)などの大石静のオリジナル脚本によって描く本作。毎熊にとって大河ドラマへの出演は昨年の「どうする家康」(大岡弥四郎役)に続いて2回目。前作では1話(第20回)のみの出演だったが、「光る君へ」では第2回から登場し、出演シーンが大幅に増加。演じる直秀は、町辻で風刺劇を披露する散楽の一員。貴族を嫌悪しながらも、ふとしたことから出会ったまひろと道長の身分差の恋を案じながらも見守っていた。

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 撮影前には「大石先生からは“楽しみにしているね”としか言われなくて、すごくプレッシャーに感じた記憶があります」という毎熊。第5回「告白」ではまひろと道長の逢瀬を手引きし、まひろが道長に6年前に母が殺された事件の真相を打ち明ける様子を目撃。「まひろを頼む」と去っていった道長に対して、直秀がつぶやいた「帰るのかよ…」の一言が反響を呼び、朝の情報番組「あさイチ」(NHK)でこのセリフを披露した。とりわけ女性に「かっこいい!」「キュンキュンする」と人気の直秀について、毎熊自身は「僕は台本に書かれたセリフを言っただけなんですけど、まさかこんな大事になるとは思いもしなくて(笑)。物語上ではまひろと道長をつなぐような役割はありますけど、そんなにずっと出ている役でもないしって思っていたんですけど……。計算外でしたし、自分ではどこにキュンキュン来るのかまったくわからないですね」と照れ臭そうに笑う。

 直秀のカッコよさについては「本当に分からないところだと思うんですけど、男性が思うかっこいいと、女性が思うかっこいいって一生合わない気がするんです(笑)。昨日もたまたま別の作品でどうやったら色気とかセクシーさを出せるのかっていう話になったんですけど、それは女性に聞いた方が早いなっていう感覚はあって。今回に関していえば、変に考えるよりも、台本に書かれたとおりに素直に演じるのがいいだろうと思いました」と言い、演技面では意識していない。

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 直秀といえば、神出鬼没。まひろの屋敷を訪れるときにはいつも屋根の上から登場し、俊敏な身のこなしや三角跳びなどアクロバティックなシーンも注目を浴びた。「身体能力の高さは台本上にもあった設定で、“バク転する”とか書かれていたんですけど。36歳で今からバク転練習か……と(苦笑)。結局、バク転じゃない技を練習してやったりしていたんですけど、例えばよじ登るとか回るといった動きに関しては、現場ではどんな足元になっているのかわからず急にはできないので、ずっと練習していました」

 まひろも父・為時(岸谷五朗)が官職を得られず幼いころから貧しい暮らしを余儀なくされていたが、貴族であることには変わりない。直秀もそれなりの距離をとって接していたが、まひろが直秀らの風刺劇に興味を持ち、筋書きを考えるなど関わり始めたことから距離が徐々に縮まっていく。そんな過程は、キャストの距離感にも重なったという。

 「特に思い出に残っているのが第7回で、まひろが“笑える話、考えてきたの”とアジトにやってくるところ。直秀は“誰も頼んでねえって言ったろ”って言いながらも、まひろが考えた話を仲間たちと練習し始める。その前にも第4回で、仲間たちとの飲みにまひろを誘ったとき、まひろは“面白そう……”って乗り気になるんだけど、たしなめる従者を見て直秀は“お姫様じゃ無理か”とあきらめるという流れがありました。そうして、直秀はまひろとの距離が徐々に縮まっているのを感じていると思うんですけど、吉高さんと僕らにも同じようなことがあって。僕はいつも散楽のメンバーのキャストの方々と毎日ご飯を食べていたんですけど、いつものように行こうとしていたら吉高さんと偶然会ったので誘ったら“行こうかな”って本当に来てくれて。何だかその時の感触と、劇中の関係がマッチしたように感じられたんです」

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まひろ(吉高由里子)と直秀

 まひろと道長の恋を応援する一方で、直秀は散楽の仲間に「おまえ、あの子に惚れてんのか?」とひやかされるなど、まひろに惹かれている様子もある。「俺は誰にも惚れねえよ。明日の命もしれぬ身だ」と否定する直秀だが、第8回では直秀が都を離れることをまひろに告げた際、「一緒に行くか」と誘う。この時の直秀に恋愛感情はあったのか?

 「好きの種類はいろいろあると思うんですけど、まあ放っとけないんでしょうね。まひろにはここじゃなくて、外の自由な世界の方が向いていると思っている。ただ、もしまひろに好意があったとしても認めていないと思うんですよね。あるいは気付いていないか。だから僕としては認めていないに近い感覚で演じていたんです。言い方を変えたら“俺と付き合おう”みたいなことじゃなくて、何げなく一緒に行くかって言ってみた感じ。“好き”問題は一番難しかったところで、もうわからないままやろうと思いました。あえてはっきりさせず、観てくださる方に委ねる方が良いのではないかと」

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道長(柄本佑)と直秀

 一方、直秀は道長とも意図せずして親交を深めていくが、道長は彼が義賊という別の顔を持っていることを知らず、第6回では貴族たちの邸宅に盗みに入った直秀を追って傷を負わせた。第7回では直秀が道長の“弟”として打毬(だきゅう)大会に参加することとなり、第8回では道長を演じる柄本と思い出深いシーンがあったという。

 「打毬のシーンの後に、直秀が道長に屋敷を案内してくれと言って、二人きりで歩くシーンがありました。そこで直秀を盗賊と疑う道長との腹の探り合いみたいな会話があった後に、台本にはなかったのですが僕が柄本さんに毬を投げたんです。そうしたら柄本さんが投げ返してくれて、直秀と道長には不思議な友情があるなあと。立場や身分の差はあれど、毬を返してくれたのがすごく意外で嬉しかった。あの場面が、直秀と道長、僕と柄本さんの距離が一番縮まったシーンだったと思います」

 第8回のラストではついに直秀が道長らに捕まり窮地に陥るが、彼は海の見える国に旅立つことができるのか? 数奇な縁で結ばれた3人の関係の行方も気になるところ。

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 毎熊は広島県出身。2016年公開の初主演映画『ケンとカズ』で第71回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞など数々の新人賞を受賞した。2018年の「まんぷく」で朝ドラ初出演。近年はドラマ「彼女たちの犯罪」「セクシー田中さん」、Netflixシリーズ「サンクチュアリ -聖域-」(いずれも2023)、映画『孤狼の血 LEVEL2』(2021)、『愛なのに』(2022)、『世界の終わりから』(2023)などに出演。4月3日より、ヒロインが別れたくても別れられないダメ男を演じるドラマ「好きなオトコと別れたい」(テレビ東京)がスタートする。(編集部・石井百合子)

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