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「光る君へ」柄本佑が見た吉高由里子の凄さ 涙の名演は「佇んで見るしかできなかった」

第5回より吉高由里子演じるまひろ(紫式部)
第5回より吉高由里子演じるまひろ(紫式部) - (C)NHK

 吉高由里子主演の大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で平安貴族社会の最高権力者となる藤原道長を演じる柄本佑。平安時代に1,000年の時を超えるベストセラーとなった「源氏物語」を生み出した紫式部(まひろ/吉高)の生涯を追う本作で、吉高との再共演を振り返るなかで、特に吉高の演技に目を奪われたというシーンを明かした。

【画像】柄本佑が目を奪われた吉高の名演 第5回場面写真

 柄本演じる藤原道長は、「源氏物語」の主人公・光源氏のモデルともいわれる人物。ドラマでは、道長が幼いころに紫式部と出会い、数奇なめぐりあわせを経てソウルメイトのような関係を育んでいく。柄本にとって大河ドラマは「風林火山」(2007)、「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(2019)に続く3度目の出演。主演の吉高、脚本の大石静とは2020年放送のドラマ「知らなくていいコト」(日本テレビ系)以来のタッグとなる。

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 下級貴族の藤原為時(岸谷五朗)の娘であるまひろと、右大臣(現在は摂政)・藤原兼家(段田安則)の息子である道長。幼いころに出会った二人は身分差を超えて惹かれ合うが、まひろの母・ちやは(国仲涼子)が道長の兄・道兼(玉置玲央)に殺される悲劇が勃発。二人は6年後に偶然再会し、恋心を募らせていく一方、まひろはあるとき、母を殺した仇が道長の兄であることを知り、葛藤する。

 兄がまひろの母を殺した事実にショックを受けながらも、まひろのことが頭を離れない道長。なぜ道長はまひろに強く惹かれるのか?

 「まひろと道長が惹かれ合う強さって、言葉で表せるようなものじゃないんですよね。どんなに会わないようにしていても繋がってしまっていて、必ずどこかで会ってしまう。僕自身がまひろが魅力的だと感じているのは、猪突猛進でまっすぐなところです」

第10回より。廃邸で結ばれた道長(柄本佑)とまひろ

 一度は道長から離れようと決心するまひろだが、二人はたびたび偶然顔を合わせては一層恋心を募らせていく。3月10日放送・第10回「月夜の陰謀」では道長がまひろとの駆け落ちを決意し、二人の密会の場所となっていた廃邸で結ばれた。しかし、まひろは「俺はまひろに会うために生まれてきたんだ」と思いをぶつける道長に対し、殺された散楽の一員・直秀(毎熊克哉)の理不尽な死を思い返しながら、道長には同じ悲劇が繰り返されぬよう世を正す使命があると諭す。そんな二人のもどかしい関係を、柄本はこう語る。

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 「まひろと道長のシーンに関しては、感情が行ったり来たりするんですよね。特にまひろは前に言ったセリフと、道長の一言を挟んだ後のセリフが対極だったりするんです。大石先生という方はなかなかいけずなシーンを書かれますなと……(笑)。二人の関係に思うことで言うと、例えば廃邸のシーン。ああいったところでは道長はまっすぐぶつかっていくんだなと。もしかすると、道長はあの廃邸でしか本来の自分を見せられないのかもしれない。まひろにだったら本気で怒れるし、優しい言葉もかけられるし、本音で話せる。そんなところがソウルメイトであるゆえんなのかなと思ったりしていましたかね。廃邸のシーンはこれから徐々に減っていくんですけど、いつもことごとく長いんです(笑)。だから、吉高さんとバディを組んで協力し合って大石先生の書く厄介な難題に挑んでいっている、という感じがします」

 さらに、まひろを演じる吉高の凄さにも触れる。「先に申し上げたように、まひろはついさっき言ったことと真逆のようなことを言うことがあって、明らかに矛盾してはいるんだけど、どっちも嘘じゃないんですよね。別に相手を翻弄してやろうっていうことでもない。きっとまひろは嘘がない人なんだと思う。どの言葉もまっすぐに放たれているもので、そういう風に角度が変わっていく表現が、吉高さんは毎回すごいなと思っています」

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第5回より。まひろの衝撃的な告白にうちひしがれる道長

 吉高の演技で特に圧倒されたというのが、2月4日放送・第5回「告白」で、まひろが自身の母親を殺したのが道長の兄・兼家であることを道長に告げるシーン。

 「廃邸の長いシーンでは特に吉高さんの懐の深さ、器の大きさを感じていて、10回の長いワンカットのシーンなどもあるのですが、なかでも印象に残っているのが、5回の告白のシーン。あの場面は吉高さんに目を奪われていたような気がします。もう佇んで見ることしかできなかった。吉高さんがすごいのって、強いんだけど弱くも見えるところ。それはいつも感じていることです」と吉高に強い信頼をにじませていた。(編集部・石井百合子)

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