ADVERTISEMENT

ナオミ・アッキー、ポン・ジュノ監督『ミッキー17』“二人のミッキー”との共演の舞台裏

『ミッキー17』で共演したナオミ・アッキーとロバート・パティンソン
『ミッキー17』で共演したナオミ・アッキーとロバート・パティンソン - (c) 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

 映画『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督が、『TENET テネット』のロバート・パティンソンを主演に迎えた最新作『ミッキー17』(3月28日公開)。ロバートが同作で演じる、何度も死んでは過酷な仕事を強いられる主人公・ミッキーの支えとなるパートナー、ナーシャを演じたナオミ・アッキーが、ポン・ジュノ監督とのタッグや“二人のミッキー”との共演について語った。

ロバート・パティンソンが何度も何度も死ぬ…『ミッキー17』予告編

 失敗だらけの人生を歩む若者ミッキー(ロバート)が契約したのは、死ぬたびにコピーされた体で生き返るという、究極の“死にゲー仕事”。何度も死んでは搾取され続け、“ミッキー17”となった彼の前に、手違いで自分のコピーが現れたことから、運命が大きく変わり始める。

ADVERTISEMENT

 ナオミが演じたのは、保安要員として働きながらミッキーと心を通わせる女性ナーシャ。彼女について、ナオミは「ナーシャは、他者を価値ある存在として見るという、人間本来の本能を象徴するキャラクターだと思っています。他人がどう思っていようと、彼女は相手を愛と敬意に値する存在だと見なしている。ミッキーをそのような目で見ている数少ない人物の一人でもあるんです。彼女は一貫して彼を愛し、守り、二人の関係を育てようとするんです」と説明する。

 一つのジャンルに縛られないユニークな作品を手掛けてきたポン・ジュノ監督。本作も、テクノロジーが発達した未来を描きながら、現代社会への痛烈なメッセージが込められており、ナオミは「監督の頭の中がそのまま映し出されたような映画ですね。ジャンルで言えば、SF、コメディ、アクション、ドラマといったところでしょうか。どんな映画かを言葉で表現するのはなかなか難しいけれど、とても良いストーリーだと思います」と表現する。

 『パラサイト』でアカデミー賞を受賞し、ハリウッドでも注目のクリエイターとなったポン・ジュノ監督とのタッグ。「彼が私と仕事をしたいと思ってくれたなんて」と喜ぶナオミは「夢のようだった」という撮影現場を振り返る。

ADVERTISEMENT

 「ポン・ジュノ監督は、非常に具体的な演出をする一方で、俳優の即興を試す自由な遊びの場も提供してくれるんです。打ち合わせの合間に週末の予定を聞くと、『ストーリーボードを練り直す』といった答えが返ってくる。監督の準備が完璧だからこそ、現場ではみんなで意見を交わしながら試行錯誤することが可能なんです。与えられた時間内で取り組むべきことが常に明確なので、その枠の中で自由に『遊ぶ』ことが許されていた。みんな一生懸命働いてはいたけれど、笑いが絶えず、妙に疲れを感じない。常に翌日の撮影が楽しみで仕方ありませんでした」

 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)で、VFXを駆使した撮影を経験しているナオミだが「最近気づいたのですが、私は(合成用の)グリーンスクリーンをバックに演技するのがあまり得意ではないんです。役者として、そういう状況でも上手くやらなければいけないのは理解していますけどね」と告白。だからこそ、ポン・ジュノ監督が「派手になりがちなこのジャンルを、あえて現実世界へ引き戻したかった」という、現実感あふれるセットでは、満足いくパフォーマンスを発揮できたという。

 「この作品では、セットも衣装も丁寧に作り込まれていたため、一歩足を踏み入れただけで、その世界に包み込まれるような感覚を味わえました。細部まで緻密に作られていて、『なるほど、ナーシャはここで長い間暮らしてきたのだろう』と自然に感じ取れるんです」

ADVERTISEMENT
二人のミッキーの出会いで何が起こる?(c) 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

 “二人のミッキー”と同じスクリーンに映る場面でも、アナログな手法で、常に二人の俳優を相手に演技できる環境が用意されていたという。「ロバートのボディダブルであるサムを起用し、常に二人の俳優と一緒に演技をすることができました。撮影期間中、サムはずっとロバートに付き添って、仕草や身のこなしを習得してくれたので、顔の見分けがつかないシーンでは特にCGも使わなかったんです。二人が並ぶシーンは、サムの顔にロバートの顔を合成する必要があり複雑でしたが、そこも綿密に計算されていた。目の前にいる二人を相手に演じることができたので、“フリ”をする必要がなかったんです」(編集部・入倉功一)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT