「べらぼう」久保田紗友、花魁の色香は「首筋を意識」

俳優の久保田紗友が2日、NHK横浜放送局で開催された横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほかで放送中)のトークイベントに出席した。本作で花魁・松の井を演じる久保田が、花魁としての色香を表現する工夫など、撮影の裏側を語った。
大河ドラマ第64作となる本作は貸本屋から身を興し、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴、東洲斎写楽らを世に送り出し、江戸のメディア王として時代の寵児となった蔦屋重三郎(横浜)を主人公にしたストーリー。本日放送される第9回では、幼なじみの花魁・瀬川(小芝風花)の身請け話を耳にして初めて瀬川を思う気持ちに気づいた蔦重、ひそかに吉原を抜け出そうとする浪人・小田新之助(井之脇海)とうつせみ(小野花梨)など、女郎たちのシビアな現実が描かれる。
イベントには695件(1208人)の応募があり、約9倍の倍率を勝ち抜いた130人が当選。久保田は井之脇海、小野花梨と共にステージに上がると、江戸中期を舞台にした本作について「学ぶことが多い作品。学校で習わないことばかり。視聴者の方もきっと学びや発見の多い作品だと思います」と本作の見どころを紹介する。
久保田は吉原を再現した撮影セットに驚いたというエピソードも振り返り、「細かいところまで作り込まれていて、そのセットの力を借りて私も演技ができていると思います」と話す。また、花魁の衣装については「本当に重いです。布団を着ているみたいな感じです」と述べ、繊細に作り上げられる花魁メイクについても「白メイクの時が大変です。二時間くらいかかります」と話す。
花魁の松の井を演じるにあたって、久保田は「花魁の言葉に苦戦しました」といい、「アドリブでやらないといけない時は所作のこともあるので探り探り演技をすることもあります。時代考証の先生に教えてもらいながら演技をしています」と撮影の裏側に触れる。
イベント会場には実際に久保田が履いた高下駄も用意され、久保田は砂利道での花魁の歩き方に苦戦したことも回想。「公園で歩き方を練習しました。高下駄を履いて歩いてみると、平らな床の上で練習している時より、意外と砂利道の方がやりやすかったりするんです。きちんとできると、砂利道に綺麗な円(歩き跡)ができます。それがすごく面白かったです」と話した。
花魁としての色香の表現について問われると、「私も今でも知りたいくらい」と謙遜しつつ、久保田は「(右側の)首筋を意識して演技するようにしています。できるだけ首を長く見せるようにするんです」と現場での工夫を明かし、同じく女郎役の小野も「私はゆっくり歩くことを心がけています」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)


