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イスラエル軍に拘束され消息不明だったオスカー受賞監督、解放される

今年3月のアカデミー賞授賞式に出席していたハムダーン・バラール監督(左)
今年3月のアカデミー賞授賞式に出席していたハムダーン・バラール監督(左) - Monica Schipper / Getty Images

 イスラエル軍に身柄を拘束され、消息不明となっていた映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』(2024)のハムダーン・バラール共同監督が現地時間25日、無事解放された。CNNほか各メディアが報じたほか、共同監督のユヴァル・アブラハームも自身のXで報告している。

【画像】アカデミー賞を受賞した『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』

 第97回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞したパレスチナ人のバラール監督は現地時間24日、イスラエル占領下のヨルダン川西岸でイスラエル人入植者の集団(10人~20人)から暴行を受け、その後、イスラエル兵に連行されたまま連絡が途絶えていた。

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 一夜明けた現地時間25日、アブラハーム共同監督は「一晩中手錠をかけられ、軍の基地で暴行を受けたハムダーン・バラールは、現在解放され、まもなく家族のもとへ帰ろうとしています」と投稿。同じく共同監督のバーセル・アドラーは、解放されたバラール監督の写真を添えて、「ハムダーンは現在、解放されてヘブロンの病院で治療を受けています」と報告。「彼は兵士と入植者によって全身を殴打されました。昨夜、兵士たちは彼を目隠しし、手錠をかけたまま軍の基地内に放置しました」と詳細な状況をつづっている。

 イスラエル軍は今回の事件について、数人のテロリストがイスラエル市民に石を投げたことで衝突が始まり、ハムダーン監督らを拘束したと主張。一方で、CNNはイスラエル兵が現場にいたにもかかわらず、入植者たちの暴力を止めなかったという目撃者の証言も報じている。

 『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』は、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区の様子を記録するパレスチナ人青年と、イスラエル人ジャーナリストが育む友情を記録したドキュメンタリー。米国での配給は決まっておらず、監督たちはニューヨークやロサンゼルスで自主上映を行っていた。(藤田良太)

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