「マンダロリアン」なぜ映画化?『スター・ウォーズ』重鎮デイヴ・フィローニが明かす背景【来日インタビュー】

映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』のプロデューサーで、ルーカスフィルムCCO(最高クリエイティブ責任者)のデイヴ・フィローニが、千葉・幕張メッセで開催された公式ファンイベント「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン 2025」でインタビューに応じ、ドラマ「マンダロリアン」映画化の背景や、作品タイトルにもなった人気キャラクター・グローグーについて語った。
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「マンダロリアン」は、戦闘集団マンダロリアンの戦士ディン・ジャリン(ペドロ・パスカル)と、強いフォースを秘めた子供グローグーの冒険を描いたディズニープラス配信のドラマシリーズ。2人は、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)以来7年ぶりの劇場映画となる本作で、満を持してスクリーンに登場する。
「マンダロリアン」の劇場映画を開発するにあたり、フィローニは「どうやってこの作品をもっと大きく、もっと良くできるか?」と自身に問いかけることから始めた。そして、『スター・ウォーズ』は「スケールはそれほど重要ではない」ということを再確認したという。
「『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』が恵まれているのは、素晴らしいキャラクターたちがいることです。彼らの関係性が、この物語の中核を担っています。それはとても大きなことです。最終的に『このキャラクターたちにとって何が一番大事なのか?』『彼らを通して何を語りたいのか?』という問いに向き合うことになりました」
映画化の背景にあったのは、フィローニたちが育てきたキャラクターに対する愛だった。「そして、その問いに向き合ううちに、感情のスケールが広がっていくんです。心が動かされ、彼らに対する思い入れがどんどん強くなっていきます。そうやって、作品に特別なものが吹き込まれていくんです」
メガホンを取るのは、ドラマシリーズの製作総指揮を務めるジョン・ファヴローだ。「ジョンがこのプロジェクトを率いてくれているのも本当にありがたいことです。彼は素晴らしい映画監督で、常に心のこもった作品を作ってきました。それがジョンの真骨頂なんです。とても簡単なことではないですし、唯一無二の存在です。だからこそ、彼と一緒に仕事をするのが好きですし、彼から学ぶことは多いです」と全幅の信頼を寄せる。
そしてフィローニが「素晴らしい贈り物」と表現するのが、“ベビー・ヨーダ”ことグローグーだ。賞金稼ぎのディン・ジャリンが受けた依頼のターゲットだったグローグーは、シーズンを重ねるうちにディン・ジャリンと親子のような絆を育んできた。
フィローニは「彼は素晴らしい存在です。私が初めて出会った頃から比べて、本当に成長しました。見た目はほとんど変わっていませんけどね(笑)。最初のころは卵のようなフローティング・ポッドの中にいて、とてもシャイで、自分の力を使うことも怖がっていました。でも、アソーカが彼に語りかけて、彼の本当の名前を教えてくれたりして、少しずつ彼も自分の力を理解し始めました。時間をかけて、彼の成長を少しずつ描いてきたのが、このシリーズの魅力のひとつです」とグローグーの旅路を振り返る。
映画のストーリーは明かされていないが、フィローニはグローグーの活躍について「前まで不可能だったことができるようになっていて、少しずづ成長した姿が見られます」と予告。「長年、グローグーを見守ってきた観客のみなさんにとっても、きっと感情移入しやすいと思います。だからこそ、この映画はグローグーにとっても大きな作品なんです」と強調していた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』は2026年5月22日(金)日米同時公開


