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SUPER EIGHT丸山隆平、一般人巻き込み30分即興劇「めっちゃ芝居やりたいんですわ」

8年ぶりに映画主演を務めた丸山隆平
8年ぶりに映画主演を務めた丸山隆平

 SUPER EIGHT丸山隆平が24日、有楽町朝日ホールで行われた映画『金子差入店』(5月16日全国公開)ジャパンプレミアに出席。8年ぶりとなる主演映画にかける思いを語ると共に、共演者たちから、丸山の俳優としてのあり方を証言されるひと幕があった。この日は真木よう子三浦綺羅川口真奈名取裕子寺尾聰古川豪監督も来場した。

【画像】SUPER EIGHT丸山隆平、客席通って登場!

 本作は、刑務所や拘置所に収容された人々への差し入れを代行する「差入店」を営む一家の絆を描くヒューマンサスペンス。映画上映前、満席の観客を前にした丸山は「ここにいらっしゃる方が(日本で)最初の目撃者になるんですね。拡散していただきたいので、皆さんが得意な方法で広めてください」とあいさつした。

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 「差入店」という題材を選んだ理由について古川監督は、自身が助監督として参加していた映画『おくりびと』からの影響があったことを明かす。「納棺師という職業を描いていたことに感銘を受けて、こういうつくりかたがあるのかと思い、自分も何か面白い職業があったら書いてみたいと思っていました。数年前、とある拘置所の前に、差し入れ代行業のお店を見つけたことが頭の片隅にありました」

 丸山を主演に迎えた経緯については、「僕のイメージでは、バラエティー番組や歌番組に出ても、グループで大オチをする人。最後にボケをかます人というのがあった。それがプライベートでひょんな出会いがあって。そこで『めっちゃ芝居やりたいんですわ』ということで、そこにいた一般の方を巻き込んで30分くらいエチュード芝居(即興劇)をされていて。この人すごいなということが記憶に残っていた」と説明した。

 それから2年ほど経った後、本作が形になるかもしれないという時に、丸山にダメ元で声をかけてみたという古川監督。その話を聞いた丸山は、「全部嘘じゃないですか?」とおどけてみせるも、「やはりお芝居ってそんな簡単な仕事でないし、お仕事をくださいということではなく、その時期、お芝居欲がすごくて。でもなかなかそういう機会がなくて。酒場でそういうことを始めたのを見ていただいたということです」と照れくさそうに述懐した。

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 そうした形でオファーを受けた丸山は「それこそ監督が17年間温めて練られた作品の主演を任せていただくのは、うれしいですし光栄なことですが、ただ読み進めれば読み進めるほど、差入屋のことを知らなかったので、カルチャーショックを受けた」と感じたといい、「やはり家族だったり、まわりにいる人だったり、善悪を決めきれない世の中に、確かに自分もいるなと。この作品をやらせてもらえるなら、うれしかったと同時に、どこまで掘り下げて監督が思い描いているものを描けるのかということを考えました」と胸中を明かす。

 その上で、役づくりについては「やはり古川監督が描かれてるものなので。どこかに監督の性質、心の芯、性格みたいなものがあるんじゃないかと思いました。役を構築する上で古川さんを観察させていただきました。それは動きではなく、監督の生き方だったり、家族に対する向き合い方、愛情というもの。僕は既婚者ではないので分からない部分もありましたが、若い頃の話や日常のエピソードだったりを聞きながら、そういうエッセンスを取り入れていきました」と振り返った。

 そうして役に入り込んでいたという丸山だが、真木にとっても新たな側面を見ることとなったという。「わたしは一度共演をさせていただいて、大好きなお友だちなんですが、本番で見る丸ちゃんが見たことがなくて。わたしも普通に真木よう子に戻っちゃって『丸ちゃん大丈夫?』と言ってしまうような、そうやって入っている丸ちゃんを見るのははじめてだった」といい、「決して完璧ではない、不器用な大人の支え合いがすごくリアルに伝わってくる作品なので。それが心にグサグサ来て、この映画、大好きだなと思いました」としみじみ語った。

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 今までとは違う役づくりについて「役によって求められることが違うので。今回は監督が求めるところをていねいに意識しながら。現場でもワンカットずつ撮っていくんですが、最初は、確認しながらやってました。でも途中からはなかったです」と振り返った丸山に、古川監督も「24時間、(丸山演じる主人公)金子真司になりきってたので。みんなで触らないようにしようと言ってました」と続けた。

 さらに、クランクアップでは寺尾と一緒だったという。「どのシーンも大切ですが、金子真司にとっての差入屋というものに、何か心に感じるシーンをご一緒させていただいたんですが、どこまで受け止めきれたのかも分からないですが、そういう僕の金子としての気持ちを引き出そうとしてくれたのを感じて。ここではあまり言いたくないけど、クランクアップの後にもすばらしい言葉をいただいて。それを胸に今後の役者人生を頑張っていきたいなという言葉をいただきました」と丸山は感謝した。

 そんな寺尾は「ギターを弾く俳優はたくさんいますが、ベースを弾く俳優は僕か丸山かスティングしかいない」と冗談交じりに語り、「ベースを弾きながら歌うというのはなかなかまともにできないんですよ。彼のステージをテレビで観たんだけど、なかなかいいんです。もっと俳優業を続けてくれるといいなと思いました」と丸山にエールを送るひと幕も。それには丸山も「うれしいです」と感激の表情を見せた。(取材・文:壬生智裕)

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