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綾瀬はるか、「もっと面白い顔ができる!」ギャグシーンに全力

起用理由はハッピーなオーラ。
起用理由はハッピーなオーラ。

 女優の綾瀬はるかが28日、渋谷のNHK放送センターで行われたNHKの土曜ドラマ「ひとりでしにたい」取材会に出席し、オタ活から死生観まで、現在の思いを真摯に語った。

【画像】綾瀬はるか登壇!「ひとりでしにたい」取材会の様子

 「笑って読める終活ギャグマンガ」と評され、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したカレー沢薫さんの原作コミックを、大河ドラマ「青天を衝け」、連続テレビ小説「あさが来た」の大森美香が脚本、綾瀬はるかが主演を務めドラマ化した本作。未婚・子なしの一人暮らしを謳歌(おうか)していた主人公・山口鳴海(綾瀬)が、憧れていたキャリアウーマンの伯母が思いもよらない孤独死をしたことをきっかけに、焦って婚活を始めるも撃沈。年下の同僚・那須田優弥(佐野勇斗)から「結婚すれば安心って昭和の発想ですよね?」とバッサリ切り捨てられたことで、「婚活」から180度方針転換。「終活」について考え始め、這(は)いつくばって模索するさまを描き出す。

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 本作の主人公・鳴海とは世代が近いこともあり、「共感するところが多かった」と語る綾瀬。「誰しも死に向かうところで不安になるというところで、勉強になることが多いです。主人公の鳴海はオタ活をしてキラキラしていたかと思えば、鬼の形相になるなど常に顔が変わるので、奮闘しているところが魅力的だと思った」と自身が演じたキャラクターを紹介した。さらに、「やはり30代後半の女性の不安になる心情や、自分はこう思っているけど、世間はそうじゃないんだな……といった気持ちになった」と感じることも多かった様子。

 制作統括を務める高城朝子プロデューサーは、綾瀬の起用理由について「今までのドラマで描かれた独身女性って、ちょっとかわいそうだけど笑うといった自虐的な感じのものが多かったと思いますが、この作品の主人公の鳴海ちゃんってひとりで明るく、楽しく生きている。そうした底抜けの明るさがあって、楽しそうにしている人がいいなと思った時に、綾瀬さんは老若男女に好かれていて、ハッピーなオーラがずっと出ている人なので、この人が演じたらきっとかわいそうに見えないだろうなと。それが大きかったと思います」と語った。

 第1話の劇中では、男性アイドルのオタ活に励む鳴海が、曲に合わせて歌って踊るシーンが登場する。「わたしはダンス経験がそんなになかったんですけど、この曲は練習のときから覚えやすかったです。練習の時から楽しかったです」と振り返った綾瀬。そのダンスシーンの途中では、画面が3分割となり、それぞれの画面に映し出された鳴海が思い思いに踊る、といった演出がなされていたが、そのシーンについて「途中で(鳴海が)3人になるんですけど、右の人がすごく面白い動きをしていて。自由に動いていいよと言われたのが右なんですけど、すごく楽しそうだなと。ダンスになってないけど、オリジナリティーがあるので。右の人に注目してください」と笑いながら説明。「わたしは推しを持ったことがない人生なので、推しがいるって楽しそうだなと思いました」と語った。

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 また鳴海を演じるにあたり、「わりと脚本は原作に忠実で、面白いところがモリモリだったので、マンガだとどういう表情をしているのかというのを確認しました。ただ、マンガだと成立するけど、実際にやるとリアリティーの部分でやりすぎだなと思うところがあった」と振り返った綾瀬。原作コミックでは、ピカソの絵のような表情があったという記者からの指摘に「そこは本当に難しくて、ちょっとできなくて悔しいところがありました。ちょっとやりすぎだからここはやらなくてもいいかなと思いました」と返した綾瀬。そのコメントを聞いた高城プロデューサーは「わたしならもっと面白い顔ができる、とか言って。そんなことを言う女優さんは初めてでした」と笑いながら補足した。

 そんな綾瀬が、自分らしくあるために意識していることとは? という質問に「自分らしさってなんなのかはあまり分からないんですが、わりと思ったことは素直に伝える方だと思うし、いつも自然体でいたいというのもあるので、心に素直でいたいと思います」と返した綾瀬。「おいしいごはんを食べて、何でも話せる人としゃべったり、何気ないことで、大笑いしたりできるのは幸せだと思います。作品づくりでも、いいものをつくろうと言いながら、本音で話し合えるってすごく生きているなという実感があります」と語った。

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 ドラマ中には、若い時に自由だと感じていたことが、年齢を重ねるにつれて孤独や不安に変わる、といった描写があったが、綾瀬自身も35歳を過ぎた時に身近な人を亡くした経験があったそうで「わたしも35歳くらいから20代の頃とは違うんだなと、はじめて死を意識した年齢だったかもしれないです。そうか、いつか人は死ぬんだと。それが分からない時って、希望があるというか、無限大という感じだったんですけど、決まっていることって多いと感じました。自分で決めているようでいて、実は人生の流れってある程度決まっているのかなと。あのセリフは、わたしがモヤモヤ思っていたことを、鳴海ちゃんが言葉にして具現化していると感じました」と明かした。そんな綾瀬の理想の最期、人生の締めくくり方について質問されると、「ああ、楽しかった。はははと笑っていたら最高ですよね」と笑いながら付け加えた。(取材・文:壬生智裕)

ドラマ「ひとりでしにたい」は6月21日より総合テレビ 毎週土曜夜10時より放送開始(全6回)

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