小栗旬、映画『フロントライン』完成度に確かな自信「胸を張れます」

俳優の小栗旬が28日、丸の内ピカデリーで行われた映画『フロントライン』ジャパンプレミアに、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介、森七菜、桜井ユキ、関根光才監督と共に登壇。小栗は「この作品は僕にとってかなりの自信作」と作品の出来に胸を張っていた。
本作は、世界的パンデミックを引き起こした新型コロナウイルスを題材に描くヒューマンドラマ。2020年2月、100名を超える乗客に新型コロナウイルスの症状が発生した豪華客船が横浜港に入港。DMATと呼ばれる災害派遣医療チームを統括する結城英晴(小栗)と厚生労働省の立松信貴(松坂)が対策本部で指揮を執ることになるが……。
作品が完成し、披露の日を迎えた小栗は「この作品は僕にとってかなりの自信作。胸を張れます」と口調を強めると、壇上のメンバーを見渡し「こんな皆さんと映画を作れたことを誇りに思っています」と誇らしげに語る。
未知のウイルスに立ち向かう結城を演じた小栗は、「僕自身、ダイヤモンド・プリンセス号のニュースがあったとき、日本を離れて海外にいたんです。緊急事態宣言よりも厳しいロックダウンの状況下ですごしていました」と当時を振り返ると「そのなかで日本のニュースを見ていて、とても不安な気持ちでいました」と胸の内を明かしていた。
また実在の人物をモデルにした役を演じることについて、小栗は「僕が演じた結城という人物のモデルとなった先生はいましたが、実在する皆さんになる、というよりは、その人が体験したことを、自分のなかに落とし込んでしっかり表現していくことを意識しました」とモデルとなった人になり切るのではなく、メンタリティをしっかりと役に投影して臨んだことを強調していた。
数々の作品に出演している小栗だが「いつも以上に映画を観てくれた友人や仕事仲間がしっかりとした感想をくれました」と映画が人々の心に響いていることに自信を深めた様子で「コロナによって、今現在も傷ついている人がいる。その意味で、誰か特定の目線で作るわけにはいかない」というコンセプトを関根監督と常に現場で確認しながら撮影に臨んだことを明かし、「この映画は誰か一人が主役ではない。みんな正しいと思って行動をしていますが、それが正解ではないんです」と作品に込めた思いを語っていた。(磯部正和)
映画『フロントライン』は6月13日より全国公開


