「対岸の家事」脅迫状の犯人よりも注目を浴びた二人の人物

多部未華子主演のTBS系火曜ドラマ「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」(毎週火曜よる10:00~放送中)の27日放送・第9話では、詩穂(多部)に脅迫状を送り続けてきた犯人の正体が判明するも、注目を浴びたのは意外な人物だった(※ネタバレあり。第9話の詳細に触れています)。
前話では、詩穂のパパ友である中谷(ディーン・フジオカ)が脅迫状の送り主らしき女性(織田梨沙)を突き止め、ラストでは詩穂と出くわしたその女性が凄まじい勢いで詩穂に向かってくる……というホラー展開で幕を閉じたが、第9話ではついに女性の正体、そして彼女が脅迫状を送った理由が明らかになった。
~以下、第9話のネタバレを含みます~
「もしかして手紙の?」と問う詩穂に、鬼の形相で「どうして……!」と何かを言いかけて姿を消した謎の女性。そののち、脅迫状の内容が「専業主婦をこの世から残らず消してやります。まず村上詩穂から」とエスカレートし、礼子(江口のりこ)も中谷も「いたずらの域を越えている」「警察に行くべき」と真っ青に。女性の名は、白山はるか。かつてはIT企業でエンジニアとして働き、未婚で出産。家事をまったくしない父を見て結婚しないと誓った彼女は精子提供を受けて出産し、一人で完璧に育児を成し遂げようとしていた。
しかし、子育てはそう思い通りに行くものではなく、やがて「(詩穂のような)専業主婦なんてものがいまだにしつこく生き残ってるから女に家事を丸投げする人が減らない」と詩穂に矛先を向けたのだという。「全く家事をしない父」を持つ苦労を知り、かつて自身も育児ノイローゼに陥ったこともある詩穂が、はるかを責めることなく「よくここまで頑張りましたよ」「昨日までダメだったのなら今日からやり直せばいい」とどこまでも優しく寄り添おうとする姿もあいまって、はるかの言い分はさほど炎上せず。「完全に逆恨み」「矛先が間違ってる」「自分勝手」「意味わからん」など理解に苦しむ声はあったが、それ以上に非難を浴びたのがバス停ではるかの心を折った老人。
老人は、ベビーカーを押すはるかを見ると「このバス混むからね。ベビーカー畳まなきゃだめよ」と一言。はるかは慌ててベビーカーを畳もうとするも抱き上げられた赤ちゃんは泣きだし、その老人は眉をひそめ、はるかはいたたまれずその場を後にした。一部始終を見た視聴者たちは、赤ちゃんを抱いたままベビーカーを畳めるはずがないと、老人の理解のなさに非難ごうごう。「そんな目で見ないでよ」「赤ちゃんは泣くのが仕事でしょ」「こういうのがいるから肩身が狭くなるんだよ」「堂々とそのまま乗るべし」といった声であふれ、はるかに同情が集まった。
そして、本エピソードで称賛を浴びたのが、育児を経て目覚ましい成長を遂げた中谷。かつてははるかと同様、専業主婦を軽んじていた中谷だったが、浮気を疑う詩穂の夫・虎朗(一ノ瀬ワタル)に自らの経験を挙げながら、いかに家事が過酷なものであるのかを穏やかに諭し、夫婦仲を仲裁。さらには、あれだけ「対価」「お金」に細かかった彼が詩穂を心配するあまり、自腹で調査会社に依頼してはるかの身の上を調べ上げ、目にもとまらぬ速さで安全策を講じた。初めははるかを非難していたものの、最後には「男は外で働き女は家事をする。日本は長らくそういう時代でした。彼女も“時代のこうあるべき”に囚われていた人なのかもしれませんね」と彼女の苦悩を慮り、「このことに気づくために自分は育休をとったのかもしれない」とある決意を胸に前を向く姿が、多くの共感を誘っていた。(石川友里恵)


