故イ・ソンギュンさん最期の新作、チョ・ジョンソク主演『大統領暗殺裁判』8月公開

ドラマ「賢い医師生活」のチョ・ジョンソク、『パラサイト 半地下の家族』の故イ・ソンギュンさん、『劇映画 孤独のグルメ』「梨泰院クラス」のユ・ジェミョンが共演する韓国映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』が、8月22日より新宿武蔵野館ほかにて全国公開されることが決まった。なお、ソンギュンさんはこれが最期の新作となる。
1979年10月26日、独裁者と批判されるほど強大な権勢を振るったパク・チョンヒ大統領が、側近の中央情報部部長キム・ジェギュによって暗殺された。本作は、このセンセーショナルな事件の裁判の模様と、大統領暗殺から軍事クーデターという歴史的大事件に巻き込まれた3人の男の姿を、一部フィクションを交えながら史実に基づき描いた衝撃のサスペンス。
本作の主人公チョン・インフ(ジョンソク)は、映画オリジナルのキャラクター。厄介な事件の裁判を多く担当する弁護士会のエースで、勝つためには手段を選ばない人物だ。大統領暗殺事件に巻き込まれた軍人パク・テジュ(ソンギュンさん)の弁護を引き受けるが、パクは軍法裁判で一度しか判決の機会がなく、チョンは公正な裁判を求めて戦うことになる。しかし、のちに軍事反乱を起こす巨大権力の中心である合同捜査団長のチョン・サンドゥ(ジェミョン)によって、裁判は不正に操作されてしまう……。当時行われた実際の裁判でも、何度も密かに法廷へメモが届けられ、「メモ裁判」と呼ばれるほど不当なものだったという。また、パク・テジュのモデルとなったパク・フンジュ大佐の裁判は、被告人の中で唯一の軍人であったがために単審制が適用され、最初の公判から極わずかな期間で最終判決が下されることとなり、その性急性が問題視されている。本作のメガホンを取ったのは、『王になった男』などのチュ・チャンミン監督。韓国史上最悪の裁判とも称される大統領暗殺裁判を、弁護する者、裁かれる者、裏で操る者、それぞれの目線で作り上げた。
また、ジェミョンは本作で「第61回百想芸術大賞 映画部門 助演男優賞」を受賞。壇上のスピーチで「兄弟のような、イ・ソンギュンやチョ・ジョンソク、全てのスタッフや共演者たちと酒を飲み交わし、笑いながら抱き合ったあの日の夜が忘れられない。先にこの世を去った友を偲び、ともに映画を作り上げた人たちを思い返しながら、今日は幸せな夜になりそうだ」と語り、会場の涙を誘った。(加賀美光希)


