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A24新作『テレビの中に入りたい』9月公開決定!自分探しのメランコリック・スリラー

映画『テレビの中に入りたい』日本オリジナル版ポスタービジュアル
映画『テレビの中に入りたい』日本オリジナル版ポスタービジュアル - (C) 2023 PINK OPAQUE RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 A24製作の新作映画『I Saw the TV Glow』が邦題を『テレビの中に入りたい』とし、9月26日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国順次公開することが決まった。併せてポスタービジュアル2種と予告編も公開された。

【動画】不穏さがクセになる!『テレビの中に入りたい』予告編

 本作は、1990年代のアメリカ郊外を舞台に、自分のアイデンティティにもがく若者たちの「自分探し」を描くメランコリック・スリラー。郊外での日々を漠然とやり過ごしているティーンエイジャーのオーウェンにとって、謎めいた深夜のテレビ番組「ピンク・オペーク」は、生きづらい現実世界を忘れさせてくれる唯一の居場所。同じくこの番組に夢中になっていたマディとともに、次第に番組の登場人物と自分たちを重ね合わせるようになるが、ある日マディが姿を消し、オーウェンは一人取り残されてしまう。彼は、自分がいったい何者なのかを知りたい気持ちと、それを知ることへの恐怖との間で葛藤し、身動きが取れなくなっていく。主人公オーウェン役を『名探偵ピカチュウ』『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』のジャスティス・スミス、マディ役を『ダウンサイズ』などのジャック・ヘヴンが務める。

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 予告編では、「ピンク・オペーク」をきっかけに出会うオーウェンとマディの姿や閉塞感を感じさせる二人のやり取り、「ピンク・オペーク」の幻想的なシーンやテレビのブラウン管が燃える様子など、現実世界とテレビのシーンが交錯しながら映し出される。また終盤では、「僕が別人だったら? テレビの向こうの遠い場所で……」というつぶやきとともに、オーウェンがテレビのブラウン管に頭をのめり込ませている衝撃的な場面も収められている。

 ポスタービジュアルのうち一つは、本国版と同じく暗闇の中に光るテレビとそれを見つめるオーウェンの背中が描かれたもの。日本オリジナル版では、テレビ画面の光に照らされたオーウェンとマディの周りを、「ピンク・オペーク」のキャラクターたちがとりまくデザインとなっている。日本オリジナル版のイラストをアーティストの雪下まゆが務め、デザインは、両ビジュアルともにデザイナーの大島依提亜が担当した。大島と雪下からは、本作についてのコメントも寄せられている。(加賀美光希)

大島依提亜

映画好きならピンとくるであろう80~90年代の映画への目配せも感じる本国のビジュアルに加えて、卓越した画力もさることながら、この映画に共鳴するかのような作品を発信し続けている雪下まゆさんの絵と、二つで一つのポスターで構成したい。初見で観ている時に思ってました。幸運にも雪下さんにご快諾頂き、見事にこの映画の世界観を表現して下さいました。

映画に限らず世界が“強い物語”を求められているこの時代において、取りこぼされてしまった無数の小さくて大切な何か。それら全てが、暗闇に淡く──しかし虹彩の輪郭をくっきりと浮かび上がらせては爆ぜるシャボン玉のようなこの映画に心を撃ち抜かれました。今年パワフルな映画を浴びてきた人にこそ観てほしい傑作です。

雪下まゆ

10代の頃の自分は、周囲にうまく馴染めず、絵を描くことに逃げ場を求めていた。
この映画は、当時の自分のような若い世代や、似たような青年時代を過ごした大人にこそ観てほしいと思った。
歳を重ね、周囲に擬態する術を身につけた自分を、主人公に重ねて観ていた。

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