柴田恭兵、長嶋茂雄氏を追悼「あぶない刑事は永久に不滅です」

俳優の舘ひろしと柴田恭兵が21日、都内・丸の内TOEIで行われた映画『あぶない刑事』上映後舞台あいさつに登壇。 7月27日に閉館する同劇場へ惜別のメッセージを延べ、舘は「僕にとっては思い出の詰まった映画館。でもまた別にできるんでしょう? 東映の映画をこれからも応援してください」と笑顔でコメント。柴田も「丸の内TOEIは7月27日に閉館となりますが、我が『あぶない刑事』は永久に不滅です。長嶋さんに愛を込めて」と先日亡くなった長嶋茂雄氏を追悼しつつ、氏の言葉を引用して劇場への思いを表現した。
7月27日に閉館する映画館「丸の内 TOEI」では現在、65 年という長い歴史のグランドフィナーレを彩る「さよなら 丸の内 TOEI」プロジェクトの一環として、7月27日までの80日間、100作品以上の傑作を特集上映やイベントを実施。この日は、1987年公開の映画シリーズ第1作『あぶない刑事』が上映された。
舘と柴田は、昨年5月の『帰ってきた あぶない刑事』大ヒット御礼舞台あいさつ(同年6月5日実施)以来1年ぶりの同劇場舞台あいさつとなったが、冒頭、過去に丸の内TOEIで行われた同シリーズの歴代舞台あいさつの映像が紹介された後、感慨深げに同劇場の思い出を回顧した。
舘は柴田と共に客席に向かってあいさつをすると「50年前、東映の『暴力教室』(1976)で俳優デビューしたんです。思い出がたくさんある映画館です」と述べ、「この作品はもちろん、柴田恭兵という俳優と出会えたことで私の俳優人生は本当に華やかなものになりました」としみじみ。
舘はまた、「一作目の時、渋谷の映画館の一番上の階で上映したんですけど、下の階から上の階まで、階段にお客さんが溢れていたのを覚えています」ともいい、「でも、この最初の『あぶない刑事』の時、(事務所の代表であり、俳優としても大先輩である)石原裕次郎さんが亡くなった」と石原軍団のボスでもある石原裕次郎氏との思い出を回顧。「石原さんの家にチケットとパンフレットをおいて、『社長、今日公開でした。お客さんいっぱい入りましたよ』って報告したのを覚えています」と笑顔を見せる。
柴田も「あぶない刑事」にまつわる思い出を披露し、「舘さんと出会って、(仲村)トオルくんやベンガルさんもそうですけど、僕とテイストが違うのに、一緒にやっていてずっと楽しかった。現場では舘さんは女性のことしか考えていなかったですよ。今でもそうですけど(笑)。アドリブなどはフィルムの時代はテストを重ねるごとに鮮度が落ちていく。一発勝負の緊張感をよく覚えています」と話す。柴田はまた「舘さんのハーレーのショータイムはいつも撮影の最終日に近いところでやるんです。いつ怪我をしてもいいようにって。でも、絶対に怪我はするなと願っていました。本気で思っていました」と話し、言葉を詰まらせる一幕もあった。(取材・文:名鹿祥史)


