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『28年後… 』イギリスのEU離脱に着想 ウイルスで国家崩壊「誰も入国できず、出国もできない」

『28年後… 』に登場するレイジウイルス感染者
『28年後… 』に登場するレイジウイルス感染者

 人間を凶暴化させるレイジウイルスが蔓延したイギリスを描くサバイバル・スリラー『28年後…』(全国公開中)の世界観は、イギリスの欧州連合(EU)離脱=ブレグジットから着想を得たと、脚本家のアレックス・ガーランドがオフィシャルインタビューで証言している。

【動画】『28年後…』本予告

 ウイルスに感染した人間は怒りに支配され、他の人間を無差別に攻撃し始めた。パンデミックから28年後、イギリスは世界から見放され、国家としての機能が崩壊し、感染を免れた主人公ジェイミー(アーロン・テイラー=ジョンソン)ら人間たちは、文明が途絶えた孤島でコミュニティーを形成し、かろうじて生き延びている。

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 ダニー・ボイル監督と共にシリーズの原点『28日後…』(2002)を手がけたガーランドは、「これはパンデミックを土台に国の崩壊を描いた映画だ」と本作を説明。20年が経過し、再び終末世界を描く上でヒントなったのが、2020年に起きたイギリスのEU離脱だった。「ブレグジットによって、世界各国の立場が変わっていくような感覚を受けました。イギリスには背を向け、目を向けなくなり、“イギリスなんてどうでもいい”という感覚でした」

 世界各国のイギリスを見る目が変わったーー。その感覚を映画の舞台設定に落とし込んだガーランドは「もしイギリスで感染が続いていたら世界はどう対応するのでしょうか? イギリスは隔離され見捨てられてしまうのか。感染者が28年も生き延びたら国はどうなってしまうのか? と考えました」と脚本作業を振り返る。

 シリーズ第2弾『28週後…』(2007)では、感染者がフランス・パリに出現した描写もあったが、『28年後… 』では他の国がウイルスの封じ込めに成功したという設定になっている。ガーランドは「イギリスには誰も入国できず、出国もできません。まさにイギリスの国家は停止状態です。イギリス以外の国はほとんどウイルスに感染しておらず、イギリスだけに感染者を閉じ込めているような隔絶された世界を描いているのです」と本作の世界観を表現している。(編集部・倉本拓弥)

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