ミセス大森元貴、朝ドラ「あんぱん」で増量&襟足カット 「人生初の学ラン姿に驚き」

3人組バンド・Mrs. GREEN APPLE の大森元貴が、連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか)に稀代の作曲家をモデルとした役で出演する。大森にとって朝ドラ初出演。音楽はもちろん、ダンスや芝居などでマルチな才能を発揮し、時代の寵児となった大森が本作に出演するに至った経緯や、周囲も驚く役へのアプローチなどを語った。
アンパンマンを生み出した漫画家・やなせたかしさんと暢さんの夫婦をモデルに、「ドクターX ~外科医・大門未知子~」などの脚本家・中園ミホがオリジナルストーリーとして描く本作は、今田美桜演じるヒロイン・朝田のぶと、北村匠海演じる柳井嵩があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現したアンパンマンにたどりつくまでの物語。大森が演じるのは「手のひらを太陽に」など、CM音楽や映画・テレビ・ラジオの劇音楽、ミュージカルなど、生涯で1万5,000曲以上を作曲したいずみたくがモデルの作曲家・いせたくや。物語の終盤で重要な役どころとなる。
本作への出演は、制作統括の倉崎憲がミセスのライブ中の大森の間の取り方や佇まい、表情などに感動し、熱烈ラブコールを送ったことがきっかけ。大森は「すごく光栄で嬉しかったです。演劇を混ぜたライブツアーをしていたので、何かを感じていただけたのであれば開催した意義があります。熱いオファーをいただき、僕に朝ドラが務まるのか……? 買いかぶっていないか……? という不安もありましたが、それ以上にワクワクして“出たい!”と素直に思いました。普段は音楽家として自分と対峙しているので、役者として自分とは違う誰かの人生を送るということは興味深くもありました」と振り返る。
役については「たまに周りが見えなくなるけどピュアで、音楽と芝居に対して誠実でまっすぐな愚直な青年」という印象を持ち、「戦争が終わって次の物作りをする嵩に影響を与える光のような存在だったと思います。たくやも時代に対して思うところがあり、音楽や芝居で表現したい、純粋に日本を明るくしたいという思いがあったんじゃないかな」と解釈したのだとか。
そして、「シンパシーを感じるなんて畏れ多い」と言いつつ、「音楽は人の心を彩る娯楽にすぎないが、されど……というところに魂をかけていたことは、先生の自伝や作品から感じます。ミセスは日常に当たり前に存在する“大衆エンタメ”を大事にしているので、“人を明るくしたい”“楽しんでもらいたい”という根幹は先生に通じるものがあると思います」と見解を示した。
役づくりにおいては「戦後の次の世代としての希望や光に見えるといいな……と思い、3~5キロぐらい増やしました」といい、襟足をカットしたことに関しては「ちょっと前までは金髪でしたが、それは“朝ドラ逆算”でやっていたことです。朝ドラで黒髪にして襟足を切るから、逆にそれまでは伸ばして遊んでみよう……と。それによって朝ドラを観てくださる方にも僕のファンにもビジュアルの変化を楽しんでもらえると思って」と意外な裏話を告白。まさにエンターテイナーの発想だ。
18歳から50代までを演じる大森は「朝ドラの洗礼を食らっています。ただ、純粋でまっすぐで貪欲なところは歳を重ねても変わらないと思うので、そこは変えたくありません」ときっぱり。現在28歳の大森は、とりわけ10代のシーンについて「やれることはやりました。カラフルな衣装や、人生で着たことがなかった学ランとか、自分の新鮮なビジュアルに驚きながら、若々しくフレッシュに演じられたらいいなと思いました」と語る。北村からは「今までになかったテンポ感」「非常にやりやすい」と伝えられたことを喜び、「この方向でいいのかな……と自信になったので、現時点で点数をつけるなら80点前後ですかね」と自己採点した。
ピアノ演奏も見どころだが、大森は「楽曲制作時にピアノを使うことはありますが、そもそも僕はピアノ弾きではないので“ヤバい!”と思い、少しでも時間があったら触れるように、楽屋などにピアノを用意していてもらって一週間ぐらい練習しました。先生もピアノは独学だったらしいので、自分なりのフォームやペースで弾いていたはず……と都合のいい解釈をして、“僕もイケるぞ!”“史実通りだろ!”という顔で弾いています」とにんまり。初演奏シーンはメイコ(原菜乃華)がのど自慢の予選会に出場するための練習に付き合う場面で、「『東京ブギウギ』を弾きます。朝ドラの『ブギウギ』も観ていたので、ブギウギだ! と思ってブギウギしていました」とうれしそうにギャクを飛ばした。
倉崎は、いずみのご親族がミュージカルシーンの撮影を見学した際、「大森さん演じるたくやを見て、“大森さんでよかった”と涙ながらにおっしゃっていただき、制作チームも安どして感動しました」と打ち明ける。大森は「いせたくやという人間と向き合ってナチュラルに表現する中で、それを認めていただいたようで感無量でした。ホッとしました」と胸をなでおろした。
「自分に自信はないけど、せっかく生きているなら楽しい方がいいし、新しい挑戦のきっかけをいただけるのであれば精いっぱいの愛情でお返ししたい。忙しいけど心は充実しています。自分の信念と向き合っているから、いろんな場が楽しい」と話す大森。さらに、「『あんぱん』は特別で、音楽の現場にいても“早く『あんぱん』の撮影来ないかな”と思ったりします。撮影はカフェでのシーンが多く、日常でカフェに行けない僕にとって非日常を生きることが仕事になっています。だからこそ、圧倒的な日常を描く朝ドラの現場はいるだけで癒やされますし、それがモチベーションになっています」と目を輝かせた。(錦怜那)


