金ロー『サマーウォーズ』斎藤歩さんがキーパーソン・侘助役

本日(1日)日本テレビ系金曜ロードショー枠で放送される細田守監督のアニメーション映画『サマーウォーズ』(よる9時~10時54分)の声優キャストには、主人公の声を演じる神木隆之介をはじめ豪華な顔ぶれが集結。そして、今年6月に亡くなった斎藤歩さんの好演も見逃せない。
16年前の8月1日に公開され、興行収入16.5億円のヒットを記録した本作(日本映画製作者連盟調べ)。物語の舞台は現実の世界と仮想世界「OZ(オズ)」が共存する社会。数学が得意な高校生・健二は、ある日憧れの先輩、夏希に誘われて夏希の実家を訪れるが、そこは戦国時代から続く名門・陣内家の大家族が暮らす家だった。そんな時、健二の携帯電話に不審な数学クイズのメールが届く。軽い気持ちでクイズに解答すると、翌朝、OZに謎のアバターが出現。仮想世界の管理システムが破壊され世界中が大混乱に陥る。アカウントが盗まれ犯人とされてしまった健二は、陣内家当主・栄おばあちゃんの指揮のもと、陣内家の面々と共にOZに潜む敵に立ち向かっていく。
主人公で17歳の高校生2年生・小磯健二の声を担当したのは、『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『君の名は。』など数々のヒット作で声優を務める神木隆之介。健二の憧れの先輩で陣内栄の曾孫(ひまご)にあたる18歳の篠原夏希役は、宮内ひとみ(当時は桜庭ななみ)。健二の同級生・佐久間敬役は、映画『河童のクゥと夏休み』などの横川貴大。陣内家16代目の当主・陣内栄役は、声優としては『海獣の子供』(デデ役)などがある富司純子。格闘ネットゲームの世界的チャンピオンで、栄のひ孫の一人である13歳の池沢佳主馬役は『時をかける少女』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』などの細田作品にも参加した谷村美月。栄の孫・陣内克彦の妻・陣内由美役は、『時をかける少女』のヒロイン声優を務めた仲里依紗。
栄の次男で、新潟漁港で水産業を営む陣内万助役は、アニメ「サザエさん」の磯野波平役などで知られる永井一郎さん(2014年死去)。栄の三男で内科医の陣内万作役は、『時をかける少女』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』『未来のミライ』など細田作品の常連だった中村正さん(2019年死去)が担当した。
そして、ヒロイン・夏希の初恋の人であり、陣内家の当主だった大おじいちゃんの隠し子・陣内侘助を担当するのは、今年6月11日に亡くなった斎藤歩さん。劇作家、演出家、俳優として舞台を中心に活躍。1996年に札幌市文化奨励賞受賞、2000年には演出した「逃げてゆくもの」が文化庁芸術祭優秀賞を受賞。北海道演劇財団理事長を務め、北海道の演劇界をけん引した。映画では『呪怨2』『ハサミ男』『日本で一番悪い奴ら』『空蝉の森』『探偵はBARにいる3』『沈黙 -サイレンス-』『空飛ぶタイヤ』など。テレビドラマでは多くの2時間スペシャルドラマに出演し、大河ドラマ「龍馬伝」や朝ドラ「半分、青い。」「エール」などにも出演している。
劇中、強烈な存在感を放つ侘助は、41歳。一族の資産を持ち逃げして、十年間行方不明だったが、栄おばあちゃんの90歳の誕生日に突然帰ってきた。天才的な頭脳の持ち主で、アメリカで人工知能の研究に没頭していたらしいが、実はそれが大事件の元凶に……という役どころ。(石川友里恵)


