『星つなぎのエリオ』3人の監督はどう協力した?『リメンバー・ミー2』制作決定で新たな視点が追加

ディズニー&ピクサー最新作『星つなぎのエリオ』のプロデューサーであるメアリー・アリス・ドラム、マデリン・シャラフィアン監督、ドミー・シー監督がインタビューに応じ、本作の制作過程を明かした。
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『星つなぎのエリオ』の監督としてクレジットされているのは、シャラフィアン、シー、エイドリアン・モリーナの3人だ。ピクサーでの映画制作は監督がアイデアを提案するところから始まり、エリオの物語は『リメンバー・ミー』の共同監督であるモリーナのアイデアから生まれたものだとドラムは語る。
「それは“もしも世界で一番変わった11歳の少年が地球代表と間違われて誘拐され、宇宙に連れて行かれたら?”というアイデアでした。そのアイデアを基に、ストーリーボード、脚本作業が行われていきました」(ドラム)
その後、『リメンバー・ミー』の続編の制作が決まり、モリーナはオリジナル版のリー・アンクリッチと共にそちらの監督をすることに。新たに『星つなぎのエリオ』の監督に就任したのが、『私ときどきレッサーパンダ』のシーと、これが長編監督デビューのシャラフィアンという2人の女性たちだ。
シャラフィアンにとってはピクサーで初めて携わった映画が『リメンバー・ミー』であり、その時に同作の共同監督であるモリーナととても似た感性を持っていることに気付いたのだという。「それで、彼が『リメンバー・ミー2』に取り組むためにこの企画を離れなくてはならなくなった時、この映画を完成させるために参加してくれないか? と誘われたんです。とても光栄に思いました。もちろん、すごくナーバスにもなったけれど」と笑ったシャラフィアン。
そんなシャラフィアンの緊張と不安を和らげたのが、同時期に『星つなぎのエリオ』の監督に就任することになったドミー・シーの存在だったのだという。「友達のドミーとは『私ときどきレッサーパンダ』で仕事をしていて、わたしたちには同じ感性があるとわかっていましたから。それに彼女は監督をやったこともありますしね! ナーバスになり、時に圧倒されてしまうこともありましたが、支えられていて、何かとても特別なものを作れると感じました」と監督デビューを振り返った。
二人が監督として参加した時点で、『星つなぎのエリオ』における世界、キャラクター、基本的なコンセプトなどが出来上がっていたといい、シーは「わたしたちは“もしも”を追加しました。“もしも、地球での人生から逃れるために、彼が誘拐されることを望んでいたとしたら?”というね」と明かす。シャラフィアンも「わたしたちが変えたものは、彼が宇宙で直面することになる困難、そして悪役的なグライゴンの存在が、ある意味、エリオと叔母のオルガの関係と鏡映しになっていること。それは新しい要素でした」と続く。
さらにシーは「わたしたち自身の要素を、エリオに少しずつ吹き込んだともいえると思います。彼の性格も結構変わりました。彼はとても宇宙好きになり、“宇宙人に誘拐される”というアイデアに興奮している子になりました。“孤独な少年が逃げ出そうとする”というストーリーは、制作の後の方に出てきたものなんです」と打ち明けた。
まさに3人それぞれの要素が合わさり合い、美しく一つになった作品といえそうだ。シーは「わたしたちはエイドリアン(・モリーナ)のコンセプトと、彼が発展させたすべての素晴らしいものを採用して、それらと共にわたしたちならではの方向へ進んだという感じです。出来上がった作品は、この3人全員のコンビネーションを感じさせるものになっていると思います」と請け合っていた。(編集部・市川遥)
映画『星つなぎのエリオ』は公開中


