『星つなぎのエリオ』制作秘話!変幻自在の液状コンピューター“ウゥゥゥゥ”誕生の裏側に迫る

ひとりぼっちの少年エリオが、宇宙で本当の居場所と大切なつながりを見つけるディズニー&ピクサー最新作『星つなぎのエリオ』。公開中の本作で、VFXスーパーバイザーを務めるクラウディア・チャン・サニとアニメーション・スーパーバイザーのトラヴィス・ハサウェイが、劇中に登場する液状お助けコンピューター・ウゥゥゥゥの制作秘話を明かした。
【画像】エリオたちとにっこり『星つなぎのエリオ』日本版声優・清野菜名インタビューカット
ピクサーは、世界初の長編フルCGアニメーション映画『トイ・ストーリー』以降、常に新しいアニメーション技術を開発し、観客の想像を超える表現を追求してきた。その情熱は、本作にも受け継がれているという。今回、ピクサーが新たな挑戦として生み出したのが、主人公のエリオがたどり着くコミュニバースの案内係で、丸くてシンプルな見た目ながら変幻自在にかたちを変えることができるウゥゥゥゥだ。このウゥゥゥゥを生み出すために用いられたのが、1980年代初期に開発された「メタボール」というコンピュータグラフィックスの技術。ピクサーはこの技術を現代の革新的なプロセスに組み込むことで、液体のように様々な形に変化するウゥゥゥゥの表現を実現させた。
さらに、輪郭となるモデルや形を決めずに、プログラム上のコードのみで描くという、ピクサーにとって初めての制作方法も使用された。クラウディアはこの制作について「ウゥゥゥゥはコードで成り立っており、モデルもなければ形状としての定義もありませんでした。想像がつかないデザインだったので、どのようにリグ(動き)やシェイディング(陰影)をつけて表現するのかをチームは考えなければならず、テクニカルな面でも表現の面でも新たなチャレンジになりました」と明かしている。
また、トラヴィスは「ウゥゥゥゥの基本的な形は球体の集まりで、ピクサーの技術を使い自由自在に操ることができました。私たちにとってこのテクノロジーはとても新しいものなので、今後、他の作品でもこのテクノロジーが使われることでウゥゥゥゥの存在が生き続けることを願っています」と語った。ピクサーのアニメーションへの並々ならぬ情熱と新技術によって描かれる、可愛らしくも頼りになるウゥゥゥゥの活躍にぜひ注目してほしい。(加賀美光希)


