スピルバーグ、『ジュラシック・ワールド』撮影中に仕掛けたサプライズ　新キャストも驚き「感動もの」

　映画『ジュラシック・ワールド』シリーズ新章『ジュラシック・ワールド／復活の大地』（全国公開中）の新キャストであるデヴィッド・ヤーコノ、ルナ・ブレイズ、オードリナ・ミランダがインタビュー応じ、本作の撮影中、シリーズ生みの親であるスティーヴン・スピルバーグからとあるサプライズを受けたことを明かした。

【動画】スピルバーグの夢「泳ぐTレックス」が遂に叶う！最新作『復活の大地』本編映像

　登場人物＆キャストを一新したシリーズ最新作は、かつてジュラシック・パーク開園のために使用された研究機関が眠る禁断の島を舞台に、新薬の開発に必要な三大恐竜のDNAサンプル採取に挑むチームの姿を描く。3人は、ひょんなことから禁断の島に辿り着いてしまうデルガド一家の長女テレサ（ルナ）、次女イザベラ（オードリナ）、テレサの彼氏ザビエル（デヴィッド）を演じている。

　新世代キャストの3人は10代～20代前半と、1993年のオリジナル版が劇場公開された後に生まれている。『ジュラシック』シリーズの原体験は、父親が持っていたVHSや近所の劇場でのリバイバル上映だったという。「父親が映画好きなので、『ジュラシック』を観て育ったとも言える。この作品に参加できるなんて、信じられないことで、まだ実感が湧かない」（デヴィッド）

　元傭兵の主人公ゾーラ・ベネット（スカーレット・ヨハンソン）や古生物学者のヘンリー・ルーミス博士（ジョナサン・ベイリー）とは違い、3人は専門的なスキルがない普通の家族だ。「こんな境遇にいるべき人たちじゃないのに、なぜか巻き込まれて、結局、彼らはその境遇の中で思いがけない方向に転ぶことになります」（ルナ）

　「イザベラは9歳で、（私みたいに）お父さんと一緒にいたいと思うような子。自分で物事を決めるタイプではないけど、映画の後半では成長して自信が出てくる。私自身もみんなと一緒にこの役を通して、自信を得られたと思います」（オードリナ）

　「ザビエルは、この二人とは育ちが違う。両親への敬意という面で、彼女たちのようにしっかりしてはいないタイプですが、彼はガールフレンドであるテレサのこと、とても大事に思っています」（デヴィッド）

　本作はタイで撮影されており、デルガド家のシーンは深夜までかかることもあったという。高温多湿のジャングルで体力の消耗も激しい中、製作総指揮のスピルバーグは、キャスト＆クルーに嬉しいサプライズを仕掛けたという。

　「プロデューサーのフランク・マーシャルが、みんな疲れ切って気力を失いそうになっていたことに気づいてくれたのか、僕たちの気力を上げようとしてスティーヴンに電話をつないでくれたんです。僕たちは全員、FaceTimeで初めてスティーヴンと直接話すことができました。その“事件”だけでも、感動ものです。彼は現場にはいませんが、この映画は彼にとっての“ベイビー”であることを認識しました」（デヴッド）

　本作は、スピルバーグが手がけたオリジナル版への原点回帰がテーマとなっており、劇中にはスピルバーグ作品へのオマージュや小ネタが散りばめられている。「『インディ・ジョーンズ』的な寺院のシーンとかもあり、スティーヴンへのオマージュがあちこちに存在しています。私たちは、オリジナル版のように、実際のロケーションで、周囲のあらゆるものを感じながら、ストーリーに命を吹き込み、あの世界観にいるような感覚を追体験することができました」（ルナ）

　恐竜が目の前にいなくても、撮影現場にその土台があるだけでリアリティーがまるで違う。オードリナは「自分がその環境にいることが、スタジオでは得られない効果をもたらしてくれます。その世界に身を置いて、その世界観の温度や空気を感じながら演じられる。テニスボール（＝恐竜の目印）を恐竜だと思わなくても、想像力が広がるんです」とロケーションとセットでの撮影の違いを明かし、「私にとって、その環境に身を置く体験は、セットよりもリアルな演技に入りやすくて助かりました」と振り返っていた。（編集部・倉本拓弥）