「19番目のカルテ」清水尋也、松本潤との共演で勉強の日々 人との触れ合いで得た学び

松本潤主演の日曜劇場「19番目のカルテ」(TBS系・毎週日曜よる9時~)で、新米内科医の鹿山慶太を演じる清水尋也が、10日に放送される第4話を前に、合同インタビューで松本との共演や役への思いを語った。
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「19番目のカルテ」は、日本の医療において19番目の新領域として加わった、総合診療科がテーマのヒューマン医療エンターテインメント。とある街の地域医療の中核を担う魚虎(うおとら)総合病院にやって来た総合診療医・徳重晃(松本)が、どの診療科にかかればいいかわからない、複雑な症状を抱えた患者と「問診」を通じて向き合い、その人の最善を見つけ出し、生き方にも手を差し伸べる。原作は富士屋カツヒトの連載漫画。脚本は「コウノドリ」シリーズの坪田文が担当する。
清水が演じる鹿山は、小芝風花が演じる滝野みずきと同期の新米内科医。「考えても答えが出ないことを考えるのは無駄」という達観した考えの持ち主で、理想と現実の間で葛藤する滝野に呆れている節も。問診に時間をかけて患者の話を聞く総合診療科は「地味な分野」と考えており、滝野が整形外科から移ったことも理解できないでいる。そんな、どこかしらけた現実主義者の鹿山が、物語を追うごとに少しずつ変化していくと清水は明かす。
「すごく現実的というか、いろんなことに自分の中で折り合いをつけて、賢く生きているタイプですが、徳重先生(松本潤)と関わっていく中で、いろんなことに触れて変化していく。僕が思うに、もともと真面目な人で、本当は怖がりで臆病なんです。だからこそ、自分の外に1枚、“偽り”というほどではないですけど、皮を被って気丈に振る舞っている。本当は器用な人間じゃないのに、自分を守るために、そう見せることができてしまう人なんです」
第4話では、そんな鹿山が、患者への対応を通じて、自分と向き合っていく。「前半の1話~3話でちょっと“なんだこいつ”って思われていた鹿山の、人間的な側面が見えてくる回かなと。ひねくれているように見える部分もあるけど、鹿山なりに、ちゃんと患者さんの命を助けたいっていう気持ちに向き合っているんですよね。その中で、仕事として折り合いをどうつけるのか葛藤しているところで、徳重先生の患者さんや仕事への向き合い方に触れて、変化していく。それが患者とのエピソードともリンクしているので、そういう部分が皆さんに伝わればいいなと思います」
実年齢に近い役だからこそ、自身の変化を意識する点もあったようだ。「10代のときって、自分の“こうなりたい”って気持ちに対して真っ直ぐだった反面、それ以外のことをわりと排除していたところがあったと思います。それが30代に近づくにつれ、一個一個のことにちゃんと向き合うことが大事なんだなって思えるようになってきたというか。鹿山みたいに効率重視の考え方も必要だと思うんですが、今の僕がすごく共感できるかというと、違うかもしれないですね」
そんな自分の変化は、日々の人との触れ合いの中で得られてきたものだという。「自分の友達だったり、先輩だったり、身近な人が悩んだり壁にぶつかっている姿を見て、悩みに向き合うことに意味があるんだと思えたというか。悩んでいる自分を客観的に見るのって、すごく難しいじゃないですか。でも、周りの人を見て、悩んでいる状況も次のステップへの助走なんだなって。いろんなことを経験するなかで、わかってきた感じがするんです」
そうした影響は、主演の松本潤からも受けている様子。「共演させていただくのは2度目になるのですが、本当に現場が見えている方だなと思います。常にカメラや照明、現場の都合まで全てを把握したうえで、お芝居を作られている。松本さんは、カメラの被りや抜けを瞬時に判断して、すぐに修正されるんです。僕なんかはまだ“あ、すみません、じゃあ変えます”っていう感じなんですけど、松本さんはすぐに修正して、なおかつお芝居も成立させていて。視野の広さとか頭の回転とか、本当に頭が上がらないという感じで、日々勉強させていただいています」
そうして松本から学びながらも、撮影現場では芝居を提案することもあるという。「第4話のあるシーンで、僕のあるセリフが気持ち的に自発的に出にくくて、その前のセリフを言う松本さんに、“ちょっとだけ一瞥だけでも目線をいただけますか?”ってお願いしたんです。そうしたら“もちろんいいよ”って言ってくださって。そうやって、現場で皆さんと一緒にお芝居を日々作りながらやらせていただいています」
これまで明かされなかった過去の痛みや、医師として見せる変化。さまざまな要素が交差する第4話は、鹿山というキャラクターにとって、ひとつの節目となる回になりそうだ。(編集部・入倉功一)


