押井守『天使のたまご』4Kリマスター版 天野喜孝新規描き下ろし40周年記念ビジュアル公開
押井守が原案・脚本・監督を、天野喜孝が原案・アートディレクションを務めたオリジナルアニメーション『天使のたまご』（1985）の4Kリマスター版が、11月14日からドルビーシネマ限定で先行公開、11月21日から全国順次公開されることが決定し、天野による40周年記念の描き下ろしイラストを採用したポスタービジュアルと、天野のインタビュー動画が公開された。
1985年にOVAとして発表された『天使のたまご』は、たまごを守る少女と鳥を探す少年の出会いを描いた作品。美しい映像と独自の圧倒的な世界観で熱狂的なファンを生んだ。公開40周年を記念し、押井監督による監修のもと、35mmフィルム原版から4Kリマスター化。ドルビーシネマ対応版も制作された。
音響面では、オリジナルのモノラル音源をソニーPCLとソニーグループの音源分離技術で解析・分離し、5.1chサラウンドおよびドルビーアトモスに再構築。今年5月には、第78回カンヌ国際映画祭クラシック部門に選出され、ワールドプレミア上映された。
ポスタービジュアルは、天野による40年ぶりの描き下ろしイラストを基に制作されたもの。これまで本作は少女がイメージの中心となることが多かったが、今回は少年をメインに据えることで、作品の印象を大胆に刷新した。背景には、物語の象徴的なモチーフである卵や幻想的な都市景観が広がり、少年が大きく翻るマントをまとい、十字架を肩に歩む姿が印象的に描かれる。
本ビジュアルについて押井監督は、「力作ですね」と絶賛。「40年ぶりの天野さんの描き下ろしですが、やはり歳月が経ったのだなと感じます。今までのポスターでは少女にフォーカスしていたので、少年をメインにしたというのが面白いですし、『天使のたまご』のイメージを明らかに一新していると思います。天野さんがどう考えられたかは想像になりますが、少年が大人になったということなのでしょうね」と語っている。
そして、天野がビジュアル制作の背景を語るインタビュー動画も公開。天野は「少年をしっかり描いたのは初めてだった」と語り、年齢や人物像を具体的に思い描きながら筆を進めたと証言。40年前のポスターでは卵の向こうに立っていた少年が、長い時間をかけて手前まで歩いてきたようなイメージを重ねたといい「『天使のたまご』の世界には別の時間軸が流れているのかもしれない」と、40年の時を経て生まれた新たな解釈を語っている。
また、8月22日（金）AM10:00（予定）から、A3ポスタームビチケの販売が開始。いずれも天野による描き下ろしビジュアルで、「40周年記念版」と、1985年のOVA発売当時のパッケージ用イラストを復刻した「OVA復刻版」の2種類を、各5,000円（税込）で展開する。いずれも数量限定となる。また、同時発売のムビチケ前売り券（オンライン）は1,600円（税込）で、購入者特典としてオリジナルスマホ壁紙が付属する。（編集部・入倉功一）